ふるるのおもい
継月
はっそく
某スタジオ
そこではフンボルトペンギンのフルルが
歌の収録をしていた
「♪♪~、 ♪♪~♪♪~♪♪~」
「いい曲だね、継月」
「あぁ」
やぁ、俺は継月
今、フルルの曲の最終調整をしてる
何故俺たちがこうするかに至ったのか、
それはつい1ヶ月位前の事、
フルルが俺に持ちかけた相談が事の始まりだった
……………………………………………………
約1ヶ月前
9月2日
みずべちほー
俺はその日、ジャイアント姉ちゃんと何気ない会話をしていた。そこにフルルがマーゲイを連れて来たんだ
「曲を作りたい?」
「うん、今度開くライブで歌う曲を作りたいんだ」
マーゲイの話によると三代目ペパプの結成から
今年でちょうど10年経つということで
記念ライブを行うことになったのだが
そこでフルルが自分で作った日頃の感謝を込めた歌を歌いたいとマーゲイだけに相談を持ちかけたのだそうだ
とはいえ作曲経験のないマーゲイは遊園地の時に自分で作った曲を披露した継月なら、
協力してもらうのに打って付けではないかと
思ったとのこと
「でもそれなら他のメンバーとアイデアを持ち寄って考えればいいんじゃないか?」
「ライブの最後の方に披露して、
みんなを『ワー』っとさせたいんだ。だから プリンセス達に相談するわけにはいかないの」
みんなをワーっとさせる、という表現に
継月は首を傾げた
「はっはーん、分かった。
フルルはサプライズを仕掛けたいんだね?」
「てことは何か?フルルが1人で歌うのか?」
「うん」
成る程ね……でもソロ曲か…
「なぁ、ジャイアント姉ちゃん。これまでペパプってソロ曲出した事あったっけ?」
「いいや、無かったよ。初代も二代目もね」
「継ちゃんだけが頼りなの。お願い!」
フルルは前で手を合わせて継月に頼み込んだ
フルルのやつ、本気で作りたいんだな…
ペパプ初のソロ曲か…よし!
「分かった。喜んで協力させてもらうよ」
「本当ですか!?」
「あぁ」
「本当にいいのか?曲作るのは場合によっちゃ一週間やそこらで終わるようなもんじゃないぞ?」
「分かってる。でもさ、普段マイペースでのんびり屋さんなフルルがここまで本気で頼み込んでるんだ。友達としては、ノらないわけにはいかないよ」
「ありがとぉ~継ちゃんっ」
フルルが嬉しさの余り継月にハグをする
「ちょっとフルル、あんま抱きつかないで…
ちょっと恥ずかしい」
「でも、歌詞を考えることは出来ても、音との合わせはどうするんですか?」
「それこそ打ってつけの場所がある」
すると継月はゲーマドライバーを腰に巻き、
ドレミファビート(ポッピーピポパポver.)を起動した
『ドレミファ、ビート!』
するとゲームタイトル画面のディスプレイからカラフルな衣装を身に纏った1人の女性が出てきた
「はーい!呼んだ?」
「久しぶり、ポッピー」
「あっ、久しぶり継月。また曲を作るの?」
「あぁ。といっても、今回は俺じゃなくてフルルなんだけどな」
「カラフルでかわいい~」
「ありがとっ。あなたがフルルちゃん?私はポッピーピポパポ、宜しくね♪」
「うん、宜しくね~」
「あの……継月さん、このヒトは?」
「こいつはポッピー。俺の…まぁゲーム仲間だな。普段は『ドレミファビート』っていう音ゲーの中にいるんだけどこのガシャットを使うことで向こうから呼び出せるんだ」
「そうなんですね。あっ、私はペパプのマネージャーを務めてます、マーゲイです。宜しくお願いします」
「宜しくね、マーゲイちゃん」
「ふ~ん、ヒトの文明はそういうとこまで行ってるのか。あ、ワタシはジャイアントペンギン、みんなからは『ジャイアント先輩』何て呼ばれてる。宜しくねっ」
「宜しくね、アンちゃん」
「アンちゃん?」
「だって、『ジャイアントペンギン』じゃ長いでしょ?だからアンちゃん」
「あっ、そっか。確かに『ジャイアント姉ちゃん』だと他のジャイアント○○って名前のフレンズも含んじゃうからな。何かいいのないかな~とは思っていたけど」
「アンちゃんか、悪くないね」
「じゃぁこれからは『アン姉ちゃん』って呼ばせて貰っていい?」
「構わないよ」
「え!?あなたがあのジャイアントペンギンさん!?初代と二代目のペパプを支えたというあの伝説の!?」
「いや今更かマーゲイ!?」
一通り挨拶が済んだところで、本題に入る
「でも、ポッピーさんを呼んでどうするんですか?」
「とびっきり曲作りにいい場所に
案内してあげるっ。それじゃ、
ステージチェンジー!!」
………………………
「ほら継月、早く場所変えてよ」
「だろうと思った」
継月はキメワザスロットのボタンを押す
『 ステージ!セレェクトォ…』
すると場所はみずべちほーから一転、何処かの収録スタジオに切り替わった
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