第16話 変身ヒーローが異世界でハンターやる④
【side:マリア・アイゼンファウスト】
時間は暫し遡る。
ダーマッドさんが言った通り、わたしたちは誰一人として怪我をする事なんかなく、それどころか足元にあった爆弾を適当に投げていただけで、いつの間にか全て終わっていた。
「終わっちゃっいましたね」
「呆気なかったわねぇ~」
「この爆弾ってなあ、すげえもんだなあ。」
ラルフさんが、残った爆弾を見てしみじみと呟いている。
他のハンターや兵士たちも、皆似た様な様子だ。
城壁の外が爆風と魔術の嵐に包まれていた頃は、お祭り騒ぎにも似た高揚感と、これで決着をつけてしまいたいという必死さがあったが、あまりにも圧倒的な結果をあっけなく目の当たりにしてしまうと、テンションをどこに片付けていいのか分からなくなってしまうのだ。
眼下には焦げて抉れた地面と、横たわる獣達、中には焼け焦げたり、千切れ跳んだ肉片も散見できる。
「なんか、後味が悪いですね。」
正面切って戦いたい訳ではないが、「戦い」ではなく「虐殺」を行った気がして、どこか自己嫌悪に似たしこりが胸に残っていた。
「まあ、そんな顔しなさんな。マリアの嬢ちゃん。気持ちはわかるが、こいつばかりは割り切る他ねぇ。
どんな手段を使おうが、この結果が必要だったんだ。」
「・・・わかっています。ハンターになった時から覚悟はしていましたから。」
そう。覚悟はしていた。それこそ人々を守るために自分の命を投げ出す事にも躊躇いはなかったはずだ。
これは、仕方がない事、必用だった事、そう無理矢理納得しようとした。
「だめよぉ?無理矢理納得しようとしちゃ~。」
マリアさんの腕が、後ろからわたしを抱きしめた。ふわっと甘い香りがわたしを包み込む。
「あ、アデネラさん!?」
「こういうときに自分を抑え込んじゃうと、ずっと引きずっちゃうんだから~ぁ」
ね?とアデネラさんがラルフさんに目配せする。
「そうだな。こういう時は、じっと考え込んじゃいけねえ。
美味いもん食って、記憶も残らねえほど酒飲んで、パーッと憂さを晴らしちまうのが一番だ!
いいじゃねえか、くだ巻こうが、泣きわめこうが、言いたい事言って酒の勢いで全部吐き出しちまいな!」
俺のおごりだと、ラルフさんがニカッと笑う。その武骨な手でわたしの頭をぐりぐりと撫でる。ラルフさんの大きな手は、故郷のお父さんを思い出させた。
そう言えば、しばらく里帰りしてないな・・・と、故郷をちょっとだけ懐かしんでいると、女の子の髪の毛をぐしゃぐしゃにするもんじゃないわよ!とラルフさんが怒られている。この町でトップクラスのハンターでも奥さんには頭が上がらないようだ。なんだか、そんな様子がおかしくて、そしてちょっとだけ懐かしくて、泣き笑いみたいな顔になってしまった。
わたしがクスクス笑っても、二人の掛け合いは続く。いつの間にか、周囲の人たちも笑顔になっていた。中にはラルフさんをはやし立てる声もある。
どこか陰惨なものを孕んでいた空気が、穏やかなものに変わっていた。
しかしそれは、突然の轟音と衝撃、人々の悲鳴で一瞬にしてかき消された。
凄まじい轟音の後にやって来た衝撃は、強烈な熱波と共にわたし達を吹き飛ばすだけでは収まらず、砕いた梁や壁を凶悪な弾丸に変えた。
気が付くとわたしは床に倒れ、隣にはアデネラさんが倒れていた。アデネラさんに外傷はないみたいだけど意識が無いように見える。
「あ、アデネラさん!!」
急いで身を起こそうとして、体の上に何か重いものが乗っているのに気が付いた。
これが爆風と壁の破片から守ってくれたのだろう。
押しのけようと手をかけると、低いうめき声が聞こえた。人だ。青い金属のプレートが見える。
「嬢ちゃん、アデネラ、怪我ぁ無いか。」
のそりと覆いかぶさっていたラルフさんが体を起こす。
「ラルフさん!?そんな、ラルフさんがわたし達を庇って・・・」
「なあに、これが前衛の仕事よ。それより無事でなにより・・・だ・・・」
立ち上がろうとして、ラルフさんがそのまま崩れ落ちた。
「ラルフさん!!」
その時、初めて気が付いた。ラルフさんの背中が血まみれになっている。背中部分の鎧はほとんどが溶け落ち、露出した背中は酷い火傷に覆われ、あちこちに壁の破片が突き刺さっている。
「う・・・あなた?」
わたしが呆然としていると、アデネラさんが目を覚ました。まだ意識がはっきりしないのか、倒れたラルフさんを見ても状況が把握できていないようだ。それが次第に焦点が合っていくと同時に顔が青ざめていく。
「あなたっ!!!」
事態を理解したアデネラさんが、倒れたラルフさんに駆け寄る。
「・・・よう、アデネラ。・・・・・怪我ぁないか?」
「かすり傷一つないわ。あなたのおかげよ。」
さすが歴戦のハンターと言うべきなのか、アデネラさんは取り乱す事もせずに、ラルフさんの傷の状態を確認していく。
しかしその顔は蒼白で、今にも泣きだしそうにも見える。
「いててて・・・、傷の具合はどうだ?」
「火傷が酷いわ。それと裂傷が数か所。壁の破片が刺さってるけど、急所を外れてるのが幸いね。
あなたの体力なら死にはしないと思うけど、治療班が来るまでは動かせないわ。」
応急処置だけでもここでやるわと、ポーチから薬草や薬を取り出すアデネラさんを、素直に凄いと思った。
わたしには治療の知識も技術も無い。そもそも、あんなに冷静でいられるだろうか。
――――・・・ケンスケ様―――
間違いなく無事であろうが、それでもその身を案じてしまう。つい、あの方がいらっしゃる方を見てしまった。
そこには崩れ落ちた壁と、その向こうに広がる夕闇が見える。
そう言えば、先程の衝撃は何だったのだろうか。
だがおかしい。
城壁は内側からではなく、外からの力で破壊されたように見える。
そう感じた時、全身を怖気が駆け抜けた。
外からの力で
咄嗟に、外に向かって目を凝らす。夕闇が深くなり、山の影と地平線の境が曖昧になってきている。
影はより深い影に飲まれ、地平の向こうは全て黒一色に塗りつぶされている。
――――のそり・・・――――――
黒く染まった地平の海がゆっくりと持ち上がった。
広大な影を突き抜け、巨木よりもなお太い鎌首が持ち上がる。同時に甲高い咆哮が焼け付いた空気を切り裂いた。
何百という金切り声が折り重なった様な鳴き声は、天を仰ぐ巨大な影から発せられている。
「なに・・・あれ・・・」
間違いない。アレが原因だ。さっきの衝撃も、
「あいつから逃げてきったてわけか・・・」
ラルフさんの声には苦々しさがにじみ出ていた。
アデネラさんの手当てが功を奏したのか、先程よりも顔色が良いように見える。
「逃げて来た?」
「そうさ嬢ちゃん、あんな化け物が暴れてるんだ、さっきまで壁に噛り付いてた小物なんぞ、半狂乱で逃げ出すさ。」
「そうね、あんなのが後ろから追いかけて来るんだもの、逃げ出したくなるわよねぇ?」
ラルフさんの鎧を脱がせ、包帯を巻き終えたアデネラさんが諦めたようにつぶやいた。
その場の誰もが、あれはどうする事も出来ないと諦めていた。
「マリアの嬢ちゃん、すまねえな。今夜の宴会は出来そうにもねぇ。」
「マリアちゃんだけでも逃げなさい。ここに居ても無意味に死ぬだけよぉ。」
「そんな!お二人はどうするんです!!
このままここに残していけるわけ無いじゃないですか!」
「俺ぁ、このざまだ。どうにもここを動けそうにねえ。
俺としちゃ、
「嫌よぉ、私だけ生き残ったって何にもならないもの。
それに、この人だけあの世に行っても、あっちで生活できないと思うのよねえ。」
「・・・だとよ。」
「そんな・・・せっかく仲良くなれたのに・・・」
「泣かないでマリアちゃん。
私達には、子供が出来なかったわぁ。だからかしらね、さっき会ったばかりだけど、貴女には生き残って欲しくなっちゃったのよぉ。聞き分けてちょうだい。」
その時、どよめきが起こった。
此方に向かって歩を進めていたあの影に、赤い光が灯ったのだ。
光は徐々に増えていき、それにつれて燻る程度だった口の光が、どんどん輝きを増している。
―――さっきのアレが来るっ!!―――
背中に嫌な汗が噴き出る。ラルフさんとアデネラさんを振り返る。二人の目は逃げろと言っている。
そこに追い打ちをかける様にダーマッドさんの声が聞こえた。伝声管は潰れているが、指令所はこの近くであったらしく、ダーマッドさんの大声は十分聞き取ることができた。
「総員退避!!!今すぐ西に面している城壁から離れろ!!!」
その瞬間、地平線で星が瞬いたように見えた。
一瞬の閃光の後に訪れる嬌声にも似た轟音。地平から灼熱の帯が真っ直ぐに向かってくる。
「ラルフさん、アデネラさん、ごめんなさい・・・」
「そうよぉ。貴女は逃げて頂戴。」
「わたし!逃げられません!!」
崩れた城壁の淵に飛び出し、両足を踏ん張る。両手を前に突き出し、全身の魔力を全力で練り上げる。
全身に張り巡らせた術式に魔力を流せば、白銀に輝く模様が肌の上に浮かび上がり、一瞬で身体強化の魔術が発動する。
今は複数の術式を擬似投影している時間も余裕もない。練り上げられた魔力が注ぎ込まれるのは、たった一つの術式だ。
体内を巡り、一つの流れにまとめられた魔力はわたしの目の前に展開された術式を稼働させる。
ゆっくりと加速をつける暇などない。荒れ狂う嵐が無理矢理風車を動かすように、一気に魔力を注ぎ込む。
無理矢理まとめた魔力が暴れ全身がきしむ。溢れようとする魔力を抑え込み、力づくで魔術を展開する。
鏡が割れる様な音が弾け、幾重にも重なる青い円形の盾が現れた。
続く詠唱に呼応して、盾の表面に白く光り輝く幾何学模様が姿を現す。
盾はさらに大きく展開され、今や直径が5メートルを超える。
幾重にも重ねられた盾に浮かぶ幾何学模様はそれぞれが互い違いに回転しており、魔力を注ぐほどに回転は加速していく。
次々と魔力を体内で練り上げ、片っ端から盾に注ぐ。注いでは更に魔力を練り上げ、また注ぐ。
魔法陣にも見える幾何学模様の回転は最高速となり、もはや人の目ではその模様を読み取ることは不可能な域に達している。
盾と幾何学模様の輝きが一際強くなった瞬間、地平の彼方から吐き出された熱線が、轟音とともに叩きつけられた。
「ぐっ・・・ううううっ!!!」
重い。熱量だけではない、衝撃そのものが重い。強化した体でも盾を支えるだけで精いっぱいだ。
過剰に負荷がかかっている筋肉が悲鳴を上げる。ミシミシと骨がきしみ、ブチブチと筋肉が千切れていく音が体内に響いている。
熱線の大部分を受け止めているが、受け止め損ねて盾から漏れた熱線の筋が、周囲の城壁を焼く。
5枚展開した盾は、1枚目が着弾と同時にはじけ飛び、2枚目が衝撃で割れ、3枚目でようやく受け止めている。
「お、おい、マリアの嬢ちゃん・・・」
「これだけの熱量と衝撃を・・・貴女、何者なの・・・」
背後でラルフさんとアデネラさんの声が聞こえる。
わたしは逃げられない。
自分の身を挺して助けてくれたラルフさん、自分だけでも逃げろと言ってくれたアデネラさん。
この二人を背にして、わたしは今ここで逃げたくない。
「ぐ、ああああああああああああ!!」
雄叫びを上げ、最後の一節を謳い上げる。
大きく展開された光の盾が変化した。円周部にある幾何学模様は前方にせり出し、中央に位置するにつれ後退する。さながら凹レンズの様に歪んだ盾は、今度は完全に熱線を受け止め切っている。
「け、削れぇええ!!!」
盾の回転が一瞬止まり、今度は逆回転を始める。ブレスを受け止めている三枚目の盾は反時計回りに、四枚目は時計回りに、そして五枚目は円周部は動かず、中央部のみが反時計回りに回転している。それと同時に、金属同士がこすれ合うような耳障りな音が響き始める。
「こ、今度ぁなんだ!?」
盾の回転が加速するにつれ、軋むような音が次第に甲高い金属音となる。
一番後方の盾の
「これは、あのブレスを削り取っているの・・・」
「ぎぃっ、ああ、ぐぅ、う・・・」
ブレスの膨大な熱量と魔力量に、編み上げた術式が悲鳴を上げる。当然、そのフィードバックは術者であるわたしに跳ね返ってくる。
それでもなんとか支えていられるのは、削り取った魔力の一部を、盾の補強と身体の強化に回せているからだ。
矢や投石などの物理攻撃、魔術やブレスなどの魔力を素にした攻撃に関係なく、触れたものを砕いて磨り潰す。
受け止めた対象が魔術やブレスのように魔力で構成されているものであれば、削り取った魔力は自分の魔力としても利用できる。
一見、無敵の盾のようだが術式が複雑なのとギミックが多い分、強度では単純な盾の魔術よりも見劣りする。なにより、五枚もの盾を展開するこの魔術は魔力消費量が激しい。
そして、受け止めた攻撃の魔力量が多すぎる場合は、当然オーバーフローを起こす。
実際に5枚あった盾の内2枚が砕け散ってしまっている。
フィードバックが激しい上に、盾の一部を展開して排出する他なくなってしまう。
ただそれでも単純な盾を一枚展開するより、処理できる攻撃の総量は格段に上だ。イチかバチかの賭けだったけど、なんとか五分の勝負に持ち込めた。
三枚目の盾が限界に達する寸前にブレスは止まった。同時に、展開していた盾も消失する。
「ッハア!ハア!ハア!」
なんとか耐えきったけど、疲労とフィードバックの痛みに膝をつく。
腕が前に突き出した形のまま動かない。急激な強化のせいで筋肉が固まってしまっている。
「マリアちゃん!大丈夫!?」
アデネラさんが駆け寄って来てくれた。
息が乱れ過ぎて声が出せないわたしは、大きく頷く事しかできなかった。
「これ飲んで。疲労と、少しだけど魔力も回復出来るわ。」
ありがとうございますと言いたかったけど、口から出るのは荒い息ばかりで言葉にならない。
一気に魔力を消費しきったからか、だんだんと目が霞み始めた。
アデネラさんが差し出す小瓶の輪郭がぼやけはじめている。
動かない腕を動かして小瓶を受け取ろうとするが、ぶるぶると震えるばかりで腕が上がらない。
「マリアちゃん、腕がうごかないのね。」
飲ませてあげるわと、アデネラさんが小瓶を口元に添えてくれた。
ゆっくりと小瓶が傾けられていく。
熱く乾いた口の中に冷たい液体が流れ込んでくる。渇きにまかせて飲み干すと、爽やかな柑橘系の香と甘苦い独特の味が喉を滑り落ちていく。
「・・・どお?大丈夫マリアちゃん」
乱れた息が段々と整っていく。同時に、ジリジリと焦げ付くように痛みを発していた魔力経路も徐々に痛みが引いていくのがわかる。
「・・・・はい、ありがとうございます。なんとか落ち着きました。」
アデネラさんが言うように、体力が戻っているのを感じる。魔力も少しだけど戻っている。
ゆっくりと腕を動かしてみた。鈍痛があるが全く動かないわけではない。
「これなら、もう少し頑張れそうです。」
「頑張るって・・・貴女、まだ何かするつもりなの!?」
マリアさんが驚きの声を上げる。
まあ、当たり前かなと思う。これだけのブレスを受け止めるなんて、大魔術の範疇だ。それをこんな小娘がやってのけただけでも奇跡的なのに、まだ何かやろうとするなんて、魔術師なら正気を疑うだろう。
「今、あのブレスを立て続けに撃つ気配は感じられません。
多分、何発か撃った後は冷却時間が必要なんだと思います。だとしたら今のうちに接近して、ゼードラから意識を逸らします。」
「あんな化け物とサシでやろうってのか!?無茶にもほどがある!」
「死にに行くようなものよぉ!!」
二人の言っている事はわかる。体はボロボロ、魔力も残りわずか。自分でも狂気の沙汰だと思う。
でも、行かなくてはいけない。
この二人のためという事もあるけど、それだけじゃない。
今なんとかしないと、ケンスケ様の帰って来るところが無くなってしまう。
それだけは我慢できない。絶対に我慢できない。
「・・・・・行ってきます。」
それだけ告げて、城壁を蹴り夕闇へと飛び出した。
詠唱と共に足元に輝く車輪が現れる。輝く軌跡を描きながら、城壁の衝角を越え空中を滑り降りていく。
大きな衝撃も無く地面に着地すると、滑空した勢いそのまま地平線に向かって駆ける。
地平には小山の様に見える黒い影がじっと佇んでいる。
よく見ると、背中の外殻がゆっくりと上下し、その度に陽炎が背後の山影を揺らめかせている。
体に溜まった熱を吐き出しているようだ。あいつが撃ったブレスは二回。その後は体内の熱を排出しないと、次のブレスが撃てない。
なら、動けない今がチャンスだ。
左腕に楕円の盾を紡ぎ出す。
オハンと違い、これは強度のみを強化した一枚の盾だ。
魔力の鎖を特殊な形で編み上げ、使用する魔力量に比べて破格の強度を生み出した。単純な強度で言えばオハンに並ぶ。
「魔力の無駄遣いは出来ない。考えないと・・・」
もっと、信頼性が高くて魔力消費を抑えた魔術を・・・
詠唱と共に右手に現れたのは白銀に輝く十文字の槍。三つの矛先はそれぞれが青みを帯びた冷たい白色に輝き、一振りすると星屑の様な軌跡が煌めいた。
「
―――――まず、この一撃でわたしを脅威だと認識させる。
眼前には小山のような巨体が身じろぎもせず迫っている。
狙うは、首か、胴か・・・
――――排熱のために上下している外殻の隙間。
目標を定め、一気に加速する。地面を蹴り、半回転しながら巨体を大きく飛び越える。
上下する外殻は後方に向かって展開されていた。
後ろに回ると、赤々と輝く内部から高温の熱気が出ているのが見える。
頭を下に落下しながら狙いを定める。
右手の槍を引き絞り、左手を目標に向ける。
静かに上下する外殻のタイミングを計り、ありったけの魔力を込めた槍を投げ放った。
「お願い。」
意識せずに口をついた祈りの言葉は、夕闇をつんざく悲痛な咆哮にかき消された。
改造人間戦奇譚 雨天いおり @Gibasa
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