第80話 まぁ翔くんだし。

 練習が終わり皆で片付けをしてから、職員室に来ていた訳だが。先生が最後に様子を見にきて、この異様な忠誠心に驚いていた。


「どうなればあんな状況になるのか疑問は残りますが、生徒達がやる気になってて良かったです。」

「んー。お手本を見せたくらいですよ。なぁ?翔。」

「まぁ、少々刺激的だった感じはしますが。」

「こちらとしては、また来て頂きたいです。どうですかね?」

「他に仲間もいるので、一度相談して来ます。」

「良いお返事お待ちしています。では今日はお疲れ様でした。」


 職員室を出ると、さっきの生徒達に少し囲まれた。また来て欲しいと言われるのは、正直嬉しい。

 討伐目的は達成した訳だし、この後どうするかは網野さん次第かな。今は戻って和歌と相談かな。


「あ。2人ともおかえり〜」

「た、ただいまです。」

「ただいま帰りました。」

「…ん?きりんちゃん何か良いことあった?」

「え、え?…な、ないよ。」


 帰って早々先輩は、網野さんが良い事があったかどうかを聞いてきたが。

 見てすぐ分かるような顔をしてるのかな?


「う、うぅ〜。」

「網野さんどうかしましたか?」

「な!なんでも。な、ないです。」


 ちょっと顔が赤いような気がする。バドで疲れたかな?


「ふむふむ。ほー。」

「ん?どうしました?和歌先輩。」

「まぁ翔くんだし…よし!ご飯にしよう。」

「今何か言いましたか?」

「気にしなーい、気にしなーい。」


 結局は網野さんが何か良い事にあったんだろう。見ても俺には分からないなぁ。じー…。


「⁉︎…あ、あわわ。」

「翔くん。きりんちゃんをじっと見過ぎ。よろk…困っちゃうでしょ。」

「わ、和歌!」

「はいはい。ほら、ご飯の準備して。」


 よく分からないが、今はお腹も減ったし後でいいか。

 俺と網野さんは用意されたご飯に食べる。先輩はあまり食べてないけど。


「和歌先輩あまり食べてませんが。」

「町でいっぱい食べて来たし、朝しか運動してないから控えるの。」

「和歌先輩行った時は、作り方を教えてもらうと…。」

「ちゃんと覚えたし!皆が私に色々食べさせるから。」

「それなら明日運動しに行きませんか?」

「運動って? 」


 今日の出来事を先輩に説明した。学生達とバドミントンをした事だけを。


「すっごい楽しそうじゃん。明日も行こうよ。」

「和歌先輩ノリノリですね。」

「だってバド部隊の人以外に打つ機会ってなかったじゃん。」

「あーそう言えばそうですね。」

「それに2人だけずるいよ!デートしt …むぐぐ。」

「わ、わかったよ。こ、これ以上喋らないで。」

「2人ともどうかしましたか?」

「…翔くんだからね。」

「翔さんだからですか。」

「え?何ですか?」

「「なんでもなーい。」」


 所々で2人が悟った目を向けて来る。俺には分からないって言うけど何だろう。

 気にしてもしょうがないか。

 とりあえず、また明日あそこに行く事になった。

 さて先輩は、皆になんて呼ばれるのかな。

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