第81話 のりのりな町?
昨日は2人してコソコソ部屋で何か話していたみたいだが、男の俺には内緒らしい。少し呆れた顔をされるから、これは俺が気づかないといけない事なのかな。
しばらく2人をよく見るようにしていこうと思う。
「翔くんおはよう〜」
「か、翔さん。お、おはようございます。」
「2人ともおはようございます。今日も走りに行きますか?」
「もちろんだよ。」
「わ、私も行く。」
「じゃ、行きましょう。」
簡単に朝食を済ませて町の入り口まで来た。門番の人に許可を取って外に出る。
「ねーねー。今日は1周軽く流して、2周目競争しない?」
「面白そうですね。それくらいの時間は大丈夫ですかね?」
「だ、大丈夫。が、学校は同じ時間で。お、お話しするつもりです。」
「よーし、ちゃちゃっと走って来ちゃおうか。」
「せっかくなら、あの門番の人に審判頼みましょうか。」
「お。それいいね。じゃ、翔くんお願い。」
お願いしたら1人で決められないって事で、俺達が1周走るまでに確認しておく話になった。
「ーって事でした。まぁ門番ですからね。ダメならダメで各々判断で。」
「そっか〜。まぁ〜お仕事だしね。」
「こ、断られないんだ。」
「結果は後何で、サクッと走っちゃいましょう。」
先頭を10分置きに交代しつつ1周走ってきました。走り出した時より門の前に人が多い気がする。
「あ。戻って来た。…てか1周早過ぎませんか?」
「もう慣れましたし、ペース気にしてるんで遅いくらいですよ。」
「そ、そうなのか。まぁいいか。さっきの審判なんだが…。」
「やっぱりダメですよね。いいんです。無理言ってすいませ…。」
「町長の許可出ました!見物したいって人達も用意しました。」
「…あ、はい。ありがとうございます?」
ダメ元でお願いしたが、案外ノリノリな町だった。しかも見物したい人までいるし。あれは何かやってるな。俺達は競走馬じゃ無いんですが。
「なんか予想の斜め上をいきました。」
「燃える展開だね!」
「こうなっては無様な姿は見せられんな。本気でいこうか。」
「よぉ、坊主達。調子はどうだ?」
「あ、町長さん。ちょっとした騒ぎになっちゃってすいません。」
「ん?もともと騒ぐのが好きな連中が多いからな、何の問題もねぇぞ。」
「「「せーの、師匠頑張れ!!!」」」
「「「翔様〜頑張って下さ〜い!!!」」」
「師匠に翔…様?」
「「……。」」
「あれって2人の事だよね?昨日の学生さんかな。」
「あ、あぁ。そうだな。」
「そうっすね。」
「なんて言うか、熱狂的?」
「「ははは。」」
スタートの準備体操とか準備してる間に人はどんどん増えていく。昨日の学生達まで来てるみたいだし。町の情報網に驚かされるな。
「こっちは準備いいみたいだぞ。坊主達はどうだ?」
「俺はいつでも。」
「いつでもいけるよ〜」
「私も問題ない。では、行こうか。」
「おっしゃ。いい勝負期待してるぞ。がはは。」
町の活気は一気に上がった。
俺達は町の人達の声援を受けつつスタートに向かうのであった。
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