第11話 慣れ過ぎでは?
「翔くーん。朝ですよー。起きて。」
「あと5分…」
とう!先輩に毛布を剥ぎ取られる。
ソファーは窓際にあった為、毛布が無くなり朝日が眩しい。
「しゃんとする!はい、これ着てね。」
先輩は俺に着替えの制服を渡してくる。
「うぅー。はいー。」
寝ぼけてた俺はその場で着替え出す。
バスローブは脱ぐのが楽だな。バスローブって持っていたかな?
昨日の事をぼんやりと思い出す。なんかボーっとする。
まだ眠い。そう言えば昨日なかなか寝付けなかったし。
なんで寝れなかったんだ?んー…
ふと、見られている気がして。その視線の先へ…
「じぃーーー…。」
「和歌…先輩?」
「はい。翔くん。和歌先輩です。」
「…こ、ここは?俺の部屋で…?あれ?」
考える。ここは、俺の部屋ではない。だからバスローブあったのか。
なるほど。では和歌先輩がここにいるのは?夢か…。
んー…眠い。
ガシ!!ぎりぎり…。
「ぬぉー和歌先輩!ギ、ギブ!」
「違うよねー翔くん。」
「ご、ごめんなさい!起きます!起きてます!」
「じゃ、ちゃっちゃと着替える。」
先輩の必殺技その2『強アイアン』アイアンクローと言えば分かるだろうか。
ただ普通のではない。手が小さい先輩は俺の頭を片手で掴めない。
両手で掴むのだ。力もそれなりにある方だから痛い。
現実に引き戻された俺は着替えを終える。
「頭がずきずきする…。」
「ぼんやりしてるからだよ。目が冷めたでしょー。それにデリカシーないし…。」
「え?なんですか?」
「なんでもなーい。」
そう言ってソファーに座る。優雅に何かを飲みながら。
「和歌先輩。何飲んでるんですか?」
「んー?紅茶だよー。」
「…1つ思った事があるんですが。和歌先輩ここに慣れ過ぎでは?」
「そーかな?困ったら本みれば何とかなったよ。」
「本?いったいどこにそんなのが。」
「これだよ。はい。」
先輩から本を受け取りページをめくる。
その中には部屋の使い方。炊事、洗濯などの衣食住について書いてある。
所々に良く分からないマスコットが解説してる。誰がコレを…。
すると最後のページに『テトラちゃん監修!大事にしてね♪』大きく書いてあった。
「テトラ学園長マメだな。助かるけど…ん?最後のページ破れてる?」
「あ。そ、それはね。そう!もともと。書いたの間違ったんじゃないかなー」
なにやら慌てる先輩。ふむ。何かあるな。だがここはスルー。それが大人の対応だ。
突っ込みすぎると報復を受けるからじゃない。俺は学ぶ子だ。
すると、『コンコン…。』扉からノックの音。
「はーい。今開けますよー。」
先輩が扉を開ける。
「お、おはようございます。き、昨日は眠れましたか?」
「網野さん、おはようございます。あんまり寝れなかったですよ。」
「おはよう、きりんちゃん。ぐっすり寝れたよー。」
網野さんがやってきて、俺達は挨拶をする。
「か、翔さんは寝不足で。わ、和歌さんはツヤツヤ…。で、で、では行きますよ。」
「……網野さん。想像してる事は何もありませんからね。」
「んー?どーかしたー?行かないのー?」
何やらいけない考えをしてる網野さん。俺はそれを否定しながら歩く。
先輩は先導していて、聞こえてないみたいだ。良かった。
俺達は部隊の紹介されるらしく、食堂に向かうのであった。
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