第9話 学園長のお墨付き?
「ぐぅー」
お腹の虫が鳴る。
「「……。」」
静まる食堂。お腹の虫が鳴らした本人が呟く。
「すまんの。という訳じゃ。3人分作って欲しいのじゃ。」
「は、はい。す、すぐに作ります。」
「うむ。よろしく頼むの網野殿。」
学園長に言われ厨房へと入って行く金髪美少女。
「して、彼女だが。主らが活動するバドミントンで網野殿は部隊長しておるのでな。調理に関してもわしのお墨付きな故、ここに呼んだという訳じゃ。」
「そうですか。ところで部隊長って言うのは?」
学園長が呼んだ理由を話して、俺はいつの間に連絡したのか気になるが。それより部隊長の呼び名が気になり聞いてみた。
「ふむ。学園とは言え一応魔物との戦闘も想定されておるのでな。その名残でそう言っておる。主らは基本その部隊で動く事になるの。」
「そっかー。じゃー部長さんなのかな。後で挨拶しないとだね。」
「そうっすね。俺も何か手伝った方がいいですかね?」
「勝手も分からぬしな、そこは任せておくと良い。」
話していると奥から料理を作った網野さんが来る。
「と、とりあえずは、ありあわせですが。どうぞ。」
目の前に持ってきた料理は、野菜炒めにおにぎりだ。普通な食べ物が出てきて少しほっとした。
「んぐ…網野…殿。いただく…のじゃ。」
「網野さんありがとう。いただきます。」
「いただきます。」
学園長食べてますよ。食べる前に言わないと。それに続き俺と先輩も食べ始める。
正直言おう。めっちゃうまかった。学園長のお墨付きの意味も理解できる。
3人前あった料理はすぐなくなった。ちなみにペティットはリンゴを食べている。
落ち着いたのでそれぞれに紹介をする。
「うむ。美味じゃった。して、こちらが連絡したときに話した2人じゃ。」
「ご飯ご馳走様でした。俺は兵頭 翔です。」
「はじめまして!宇佐美 和歌です。この子はペティットです。」
「きゅ!」
「は、はじめまして。あ、網野 きりん(アミノ キリン)と申します。テ、テトラさんから連絡貰って。う、内の部隊に来てくれるみたいで。あ、ありがとうございます。」
ご飯も食べてとりあえず、自己紹介が終わった。
ん?テトラさん?誰だろう。
「む。翔殿。テトラとはわしの名じゃ。忘れたのか?」
声に出てたか。まずった。
「翔君は名前覚えるの苦手だからねー。テトラベロドンさんだからテトラさんなんだよー」
「す、すいません。学園長。」
「別によいのじゃー。一度しか名乗ってないしのー。逆に和歌殿が覚えてた事は驚きじゃ。」
えっへん。っと威張るように胸を張る先輩。
和歌先輩。微妙に失礼な事言われてますよー。まぁいいか。
「あ、あのー。そ、そろそろ話を進めてもいいでしょうか?」
少し置いてけぼりになっていた網野さんが声をかけてくる。
「テ、テトラさんに言われたので、部屋も用意してあります。も、もう夜なので今日はお休みになって。あ、明日の朝、皆の紹介します。よ、よろしいでしょうか?」
「そうじゃな。必要だったらわしを呼んでも構わんのでの。部屋への案内は網野殿に任せるのじゃ。」
俺達はテトラ学園長と別れて部屋に向かう事になった。
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