第8話 どうやら転生したみたいだ。
―ここは異世界ですか?俺は疑問に思ったことを聞いてみた。
そもそもここがどこかなのか?
魔法とか魔物ってファンタジーの世界じゃないか。
なのに馴染のあるこの和室。バドミントンもあるのか。良く分からん。ここはどこだ?
「ふむ。翔殿が言う異世界とは、なんの事か分からんがの。主らの生きていた場所ではない。そちらの言葉で言うなら『転生』と言うそうじゃ。ここの部屋にしろ、運動にしろ過去に転生した者の情報じゃよ。」
「そうか。やっぱここは違う場所なのか…。」
「さて、翔君も納得した事だし。学園長!バドやりたいー。」
「う、うむ。和歌殿。しばし待たれよ。今後の事を含め翔殿と話をしたいのじゃ。ペティットと話していてくれるかえ?」
先輩は、はーい。と言ってペティットと話を始める。
学園長は俺に向き直り話を始める。
「翔殿。これからの事ちゃちゃっと話したいのじゃ。和歌殿は…後で説明しとくれ。」
「…あ、はい。話の腰を折ってすいません。」
「よい。して主らにはこの学園に住んで貰いたいのじゃ。構わぬか?」
「はい。助かります。」
学園長は話を続ける。
学園での生活について。まずは運動と呼ばれる部活動のようなもの。
サッカー、野球、バスケ、バレー、テニス、バドミントン、ソフトボール、卓球、ハンドボールなどの種類があり。このどれかを選んでやる。俺と先輩はバドミントンで決まってるので問題ない。
次に魔物や魔法についての講義がある。こればっかりは初めから教わると大変だが、少しずつやっていく事になった。こちらも追々やっていけば問題ないらしい。ホントかな?
「うむ。部屋は準備させるとして。何か食べるかえ?」
「あーそう言えば。こっち来て何も食べたりしてないな。」
「話終わったのー?ご飯?夜ご飯かなー。何食べれるんだろう。」
学園長の話がある程度終わり、俺と先輩は何か食べる為に移動する。
こっちに来てから何も食べてないのか。学校の帰りからこっちの世界に来てるから、俺達には夜ご飯なのか?それはさて置き。
また陣が書いてある上まで歩く。学園長が陣を発動させると、眩しい光に包まれる。
今度は、学食っぽいところに出た。
「さっきの陣は便利ですね。入り口とかいろんな場所に繋がってるんですか?」
「学園内は、ほぼ行けるんじゃ。なんせ学園長だしのー。」
「混んでないんですね。もっと人がいっぱい居るかと思ったのにー。」
確かに学園の食堂って雰囲気があるのに。客と呼べる人は誰も居ない。何でだろう?
学園長はカウンターまで歩く。俺と先輩はそれに着いて行く。
「食事の時間は大分前に終わってるのじゃ。今は各自部屋にでも居るのだろう。」
「そっかー。でも誰も居ないけど。ご飯どうするんですかー?」
「カウンターの中にも居ませんね。」
学園長は人が極力居ない時を狙ったのか。先輩は誰も居ない事よりご飯が気になるらしく。俺も周りを観察している。
「問題ないのじゃ。ここに来る前に呼んであるのでな。もう来るじゃろう。」
暫くすると陣が光り、そこの一人の女子が現れる。
金髪美少女。制服を着ているから学園の生徒なんだろうか。
「…あ、あのー。が、学園長。お、お呼びでしょうか?」
「すまんのー。料理も出来るし、網野殿が一番手っ取り早かったんじゃ。」
落ち着かない様子の金髪美少女。俺と先輩はそれをじっと見つめる。
それと同時に。
「ぐぅー。」
誰かのお腹の虫が鳴いたのであった。
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