第4話 決死の逃亡。
不思議と身体が軽い気がする。熊さんの一撃を避けられた。
ほっとしたのも束の間。熊さんがこちらに追い討ちおかける。
「な!速い!」
ガァァァァァ!
気合十分の突進は今度こそ2人を…
「…はぁはぁ。そう言えば熊さんって見た目と違って俊敏なんだっけか。」
再び熊さんとの距離を取ることができた。
その距離3メートル。
「なんか良くわかんないけど。逃げる…か。」
俺は逃げる事を決めた。
ここは戦うところ?いやいや、普通の高校生が戦うとかない!
終わるような体験はもうごめんだ。
「決めたからにはマジでやんなきゃな。」
逃げる事を決めた俺。
なんかヤル気を出す熊さん。
腕とか回してますよ。今までは準備運動だ。と言わんばかりにこちらに再び突進!
「くっ!さらばだ!」
また回避に成功した俺は走り出す。
どうかこのまま見逃して…
すると今まで静かだった先輩が。
「翔くん。熊さん追いかけてくるよ〜。キリキリ走るのだ!」
肩に担ぐ形になった先輩が後ろを確認して俺に走れと言ってきた。
楽しそう?他人事の用に聞こえるけど、先輩も熊さんに追われてるんですよ?
振り向いてる余裕はないので。てか、逃げれるのか?
俺は、走る!走る!!走る!!!
熊さんも走る!走る!!走る!!!
「ねーねー翔くん!熊さんって走るとき手使わないんだっけ?」
先輩は俺に尋ねてくる。
はぁ、はぁ、はぁ。走る?手?そんな余裕ないっす。
「私の記憶が確かなら、熊さんって車くらい早いようなー気が。二足で走ってるから遅いのかな?」
先輩が何か言っている。車?二足で、走る?
なんか、すごく気になってきた。でも、そんな余裕ない!
走るしかないのだ!
いやでも、二足ってなんだ?ちょっとだけなら…。
チラ。
おーけー。二足で走る意味が分かったぜ。熊さんは人と同じ用に走る。
「翔くん!すとーーーっぷ!」
「ぐ!」
反射的に先輩の言葉で止まってしまった。追いつかれる!
俺は振り返り熊さんを…いない!?
「翔くん前だよ。」
先輩に言われて前を向くと。
ドゴーーーン!!!!!
グルル。
「はぁ、はぁ、これは、きつい。」
「翔くん…お疲れ様。速かったね。」
初めから逃げられるとは思っていなかった。何故か、出来る気がした。
でも、出来なかった。くっそ…。また、終わるのか。また俺は彼女を…。
「きゅきゅーー!!!」
目の前で起きた事に思考が追いつかない。
全長2メートルの熊さんは、小さな生物に吹っ飛ばされた。
「「えぇー!?」」
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