京の死闘 満仲猛る
第2話シカク
都に夜の
月が雲隠れするのに合わせ、兵が数人づつ闇の中に消えてゆく、その瞬間だけを目撃すれば人は言うだろう、”神隠し”と……
先程まで
ひらりと音もなく神隠しの如き
月明かりに照らされ徐々に異様な
「首尾は上々……兵は全て
「あとは
「古き時代を壊し、主の創る時代を」
「我らが
人が消え
「
光により照らされた、
「良くやった
野太い声を響かせ、一陣の風を乗せ、
その男、歳のほどが三十前……
姿は髪を馬の尾の様に後頭部で結い。鍛えられた鋼の様な左半身を大きく開けだし、
「
「これは便利だな! しかし、待つのは……ちと面倒だな」
なかなかの速さで満仲の乗る足場が盛り上がっている。――が、高さが結界の半分にも満たないところで
「よし、これぐらいならイケるな」
「み……
その言葉が耳に届いたのか
「無理だ
言うが早いか、待ち侘びていた両足の筋肉が溜めていた力を解放――矢の如く、足場から一気に跳び上がる――結界の遥か上まで。
背負っていた大量の刀束から
甲高い音が響き、振り下ろされた天辺は木っ端のように砕け、火の明かりで照らされ
「これだから、面白い事には猪のように突進するのが得意な御方は! 満仲殿、色々と恨みますよ!」
満仲により木っ端の如く砕けた天辺は瞬時に元に戻る。
「お待たせした。さて楽しませてくれ……よっと!」
着地と同時に四方八方より
最後には複数同時に短刀が満仲を襲う。
「ぞりゃ! 」
たったの一本も
全てを叩き落とした矢先に
「押し潰す気か、面白い!」
満仲は迫る巨体。――真横に避けざまに刀で胴を撫で斬る。
しかし、肉に阻まれ胴を真っ二つには出来ず、多少の血を流すのみとなった。
「肉達磨め……
飛び退いた、
「
念を込めた霊符より幾本もの鎖が意思を持ったように
結界内に肉の潰れる音が鮮明に響く――が、
「こんなもんだな……おら!」
叩きつける前より
その大きさと重さでは想像もつかないほどの速さで黒衣に迫る鎖玉。
事が起こってから微動だにしなかった黒衣が
「ほう……おもしれえ腕持ってるな」
満仲の瞳には、はっきりと
感嘆の声をもらしながらも
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