第百九十九話:此処は――人外魔境オンライン
「――すげぇ! すげぇ、すげぇ、すげぇよ! めっちゃ動ける、めっちゃ強い! はっは、ほら、その剣寄越せよ! そのアクセサリーもだ!!」
悲鳴と怒号。
「――3時間は奪いたい放題だぞ! スクショ撮られる枚数よりも盗ったモン勝ちだろこれ! そうだよ、これを求めてたんだよ! おら、【
哄笑と恍惚の笑み。
「――そうだ、そうだよ。このためにこれを買ったんだ……今なら、思う存分
【Under Ground Online】――〝始まりの街、エアリス〟以外のほぼ全ての街で、フィールドで……PKプレイヤー達が喝采を上げていた。
奪い、殺し、喚き散らし――阿鼻叫喚の地獄絵図。
此処、〝東端、ファムプラ〟でも――暴虐の限りを尽くす彼らは笑いながら剣を振るい、拳を振るい、魔法を撃つ。
まさしく、みんなで渡る赤信号状態の暴挙。街中をほぼ無警戒に、のほほんと歩いていたプレイヤー達は、ある者は悲鳴を上げながら逃げ出し、ある者は怒りの声を上げながら抵抗する。
だが、連携も、他のプレイヤーへの被害も考えずに無差別に周囲を攻撃するPKプレイヤーに対抗するためには場所も、タイミングも悪すぎた。
ただでさえ休日の朝でログインしているプレイヤーが多い中、常に一定数の人間が密集している街中では、混乱が混乱を呼び、もはや誰が敵で誰が味方なのかがわからない。
――……これが普段のあんぐらならば、こんなゴミみたいなことをし始めたプレイヤーはあっという間に
それ以外にも、正規サービス1日目から
一部、例外的に頭の回るPKプレイヤーが追跡の手を逃れ、散発的に事件を起こしてきた以外には、【Under Ground Online】でPKギルドもPKプレイヤーも大手を振って活動出来た試しはない。
そもそも、システム的にかなりPKがしやすいといわれる【Under Ground Online】において、どこの街でも現実世界並みの治安が維持できていたこと自体が奇跡に近いのだ。
外部のVRレビューサイトでも書かれていたことだが、「無法地帯まっしぐらな欠陥システムのMMOなんかやるかよww」という言葉の通り、【Under Ground Online】ではそれほどまでにPK優位のシステムなのだ
セーフティエリアは〝始まりの街、エアリス〟にしか存在せず、ワープ機能も無く、街中でもPKが可能。
証拠をとられなければ賞金首にすらならず、
だが、そんな情報を聞いてやってきたPK大好きプレイヤー達は……絶望とまではいかないが、幾ばくかの落胆を胸に仮想世界で活動する羽目になった。
どこへ行っても、信じられないくらいに強いプレイヤーが目を光らせている。どこへ行っても、必ずお節介なプレイヤーがいて、そういう奴らに限ってべらぼうに強かった。
それは〝エルミナ〟や〝エリンギ〟――悪質PKプレイヤーと言われる彼らでさえも、「ゴミは死ぬべき」と言って見返りも求めずに行動するのだ。
当然、好き勝手にPKが出来ると夢見て【Under Ground Online】を購入した者達は、衝動を抱えたまま抑圧されることになった。
他のVRMMOとは違い、初心者を狙ったPKをしてもキルペナルティがつくわけでもなく、思う存分に弱者を叩いてもアカウントを凍結されることもない、と聞いてやって来た彼らの不満は凄まじい。
悪辣なPK行為を好む者達が集う掲示板では、いくども「話が違う、絶対に
不満はどこまでも膨れ上がる。気分よく弱者を叩こうと集まったような連中は、当然、他のプレイヤー……特に指定ランカーが富や名声を手に入れているのを見て面白いなどと思うはずがない。
少数派ゆえに表立って話題になることは無いが、彼らの憂さ晴らしはもっぱら指定ランカー叩き――それに尽きる。
批判、中傷、嘲り、暴言――不正だの、チートだの、テストプレイヤーは全員が運営に縁者がいるんじゃないかだの、非難中傷のやりたい放題を尽くしていた彼らの目下の標的は狛犬だ。
人災、
竜を手懐け、モンスターとの親交もあり、獣王との関わりも持っている。テストプレイヤーゆえに多くの指定ランカーに顔が利き、プレイヤースキルも一線級。
適応称号クエストを経て適応称号を得た〝
そのため、現実世界でも【Under Ground Online】で有名なプレイヤーと言えば狛犬さん、とまで言われるほどの知名度を抱えていると――ここまでくれば、むしろ叩かれないほうがおかしいだろう。
もちろん、ものすごく叩かれた。人格批判などは序の口で、酷いところでは口に出すのも
その狛犬叩きの中心となっていたのが、PK欲を持て余して【Under Ground Online】を購入し、期待外れの結果に落胆していた者達だ。ゲームをゲームとして、健全な楽しみ方をしていない者達と言い変えてもいいだろう。
彼らは榊による動画が配信されたことに大喜びし、くろくもの悲惨な動画は瞬く間に他の掲示板に拡散された。榊は一躍有名になり――不満が吹き溜まっていた者達の救世主だともてはやされた。
榊が言う、悪辣なる者の素質を持った者達が榊の動向に、発言に――注視していた中での演説。タイミングが悪かった。いいや、彼らからすれば、最高のタイミングだったのかもしれない。
ただ、
その時点で、彼らは疼いていた。やるなら今なんじゃないかと浮かれていた導火線に、榊の演説は瞬く間に火をつけ、燃え上がらせた。
それは熱病によく似た衝動。感情のままにPKプレイヤー達は暴虐の限りを尽くそうとして――……彼らは思い出すことになる。
「引きずり出せ――! セーフティーエリア内だろうが連れ出しゃ良いんだ! おらよぉ!」
「はっは、すげぇ! イベントなんかよりもよっぽど…………なんだ?」
〝東端、ファムプラ〟の統括ギルド前。
街で教会以外に唯一のセーフティーエリアである統括ギルドに逃げ込んだプレイヤーを力ずくで引きずり出し、いたぶるようなPK行為を繰り返していた一団が――ふと、暗くなった世界に疑問を持って上を見る。
見上げた先には巨大なドラゴン――深海を思わせる青い鱗をさらさらと揺らしつつ、どこかクジラや首長竜のような独特なシルエットの青竜が、ファムプラの空に浮かんでいた。
名は『雷鳴竜ラインフードル』――激おこ事件で有名な名前持ちの竜の一頭。
それは先程、その巨躯と落雷で以て、フベの影の右腕〝ヴォルフ〟と共に
彼らは一瞬だけ身構えたものの、自分たちが襲われるなど思いつきもしないで暴虐の続きに
だが、彼らはラインフードルの濃緑の瞳に冷たく見下ろされ、そこで初めて思い出す。
「【除外指定】――【
正義の根城が崩れても、
「ラインフードル――頼む、除外範囲に
別に銀目の魔王が率いる勢力はPKプレイヤーの集団では無く、単に野生化した――ある意味では、攻略組よりも危険なプレイヤーの集まりだということを。
『ははん……ゴミ掃除ですね、お任せください。得意分野です――〝荒れ狂う者 祖は精霊王に続く者 運命を此処に 星を落とせ〟【
ラインフードルの声に
スキルの叫びと共に〝東端、ファムプラ〟に極大の雷嵐が吹き荒れ、一瞬でPKプレイヤーのみが焼き焦がされて死に戻る。
トルネコのスキルによって範囲攻撃から守られた一般プレイヤーは、一瞬だけ足を止めたものの、続くトルネコの声に一目散に統括ギルドに駆け込んでいく。
「皆さん、今のうちに避難を! 教会に逃げ込んではいけません!
掲示板を利用し、代表に連絡を入れながらも。トルネコはヴォルフと頷き合い、教会から次々と押し寄せてくるPKプレイヤー達を迎え撃つべく動き出す。
ログノート大陸、最東端――〝東端、ファムプラ〟では、そのようにして戦線は開かれた。
仮想世界という無法の世界で、
そして、それはポルストニスでも。ログノートでも。アルトニコスでも――……潮風が吹きすさぶ、晩秋のダッカスでも。
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――……深い青の水面に降り立って、
「うん、ありがとう雪花。状況はよくわかった……まずはゴミ掃除だな」
辛い過去の記憶を飲み下し、屈託なく笑いながら、人の姿で
「【獣化――3割】……うん、これならレッド・デヴィルが無くても十分だな。よっし……やるぞ、雪花! 周りに迷惑かけた分、頑張らないと」
同じように水面に立ち、心配そうな顔をしている雪花の背を勢いよく叩き、
「なんて顔してるんだよ。……大丈夫。雪花のおかげで戻って来れた。なんかさ、頭がクリアなんだ。色々思い出したのに、すっきりしてる――あー、だからさ……」
深紅の瞳を輝かせ、大角の影から突き出たふわふわの獣耳と巨大な尾を動かしながら、人の姿で
「その……これからちょっと
「……絶対に戻る?」
「うん、戻る戻る。というか、ちょっと未来の先取りみたいなもん……言ってもわかんないか。あー……ま、今回は雪花も一緒に来るんだし、ダメそうだったら気絶でもさせてよ」
「――りょーかい、ボス」
あっけらかんと笑う
「あー……と、セリアにも、雪花にも……助けられちゃったな、ありがとう」
「……別に。傭兵としてはボスが正気じゃなきゃ困るんでね」
「はいはい、雪花ってこう……ツンデレ? いやちょっと違うんだよな……ま、いっか。よしっ、じゃあ時間も有限だ。まずはあそこの目に痛い色のゴミから片付けよう……〝
言いながら――すい、と透明な眼差しが教会の尖塔の上で楽しそうに喋りまくっている極彩色の
どうやら
狛犬はそんな男の様子を鼻で笑い、続けて雪花を振り返る。深紅の瞳が雪花を射抜き、獣毛に覆われた拳が突き付けられた。
きょとんとした雪花はすぐに狛犬の意図に気が付いて、自身も右の拳をこつり、と狛犬のそれと突き合わせてこう言った。
「おかえり、ボス」
「ただいま、雪花」
向き合う狛犬と雪花は互いに穏やかに微笑んで、それから狛犬は静かに目を閉じる。
「……自分は、自分だ」
たとえ
「――……さあ、行こうか。ゴミ掃除だ。彼らも10くらい死に戻ればわかってくれるだろう」
深紅の瞳が開かれた時、そこにいるのはひどく穏やかな微笑を浮かべた人物だ。動作はゆったりと。余裕と自信に満ち溢れ、狛犬は先程よりももっと大人びた口調で雪花に拳ではなく手のひらを差し伸べる。
「……ボス」
苦々しい表情で、微笑を
「で、作戦は?」
「後ろからズガン、でいいとも。あの男――偉ぶってはいるが動きは素人だ。どこかに潜伏させている契約モンスターが攻撃の要だろう。雪花はそちらを頼むね。自分は一気に仕留めるから」
「はいはい、りょーか……は? 今、俺の名前呼んだ?」
「呼んだよ? ……雪花は雪花だ。ただの傭兵さんじゃないからなっ!」
なっ! と言いながらばしっと雪花の背を叩き、驚きに目を丸くする様子に狛犬が笑う。その受け答え、笑い方――何一つ、亜神の状態では無いそれが一瞬で切り替わり――、
「さあ、反撃の時間だ――思い知らせてやろう。彼らはPKプレイヤーなんかじゃなくて、ただのゴミなんだってことをね」
――驚きのあまりについていけない様子の雪花を置き去りにして、狛犬は穏やかな超越者の微笑みで走り出していた。
第百九十九話:此処は――人外魔境オンライン
現在位置――〝東端、ファムプラ〟 統括ギルド前
現在、セーフティーエリアである統括ギルドにプレイヤーを避難誘導していますが、ステータスにものをいわせて被害者を強引にエリア外に引きずり出すPKプレイヤーが多発しています。一度死に戻りをした者は教会の個室より出てこないよう注意を呼び掛けていますが、皆、極度の混乱状態です。
支部常駐の職員だけでは対応しきれません。そのため、現場の判断ですが魔王軍と手を組むことに決定いたしました。お叱りは後ほど受けさせていただきます。
これより、
追伸――――3時間も耐久する必要はありません。倍率計算上、10も殺せばアホ共のステータスは半減します。なので、ファムプラでは長くとも1時間で対処可能です。増援は不要。
現在位置、〝解毒の街、ポルストニス〟 南部地区
えー……えー、メンドクサイことになってきました。ポルストニスは元からPKプレイヤーの潜伏地として有名ですが、正直に言います――ゴミが多過ぎてお掃除する気力がちょっと……。
後、魔王軍がやってくれました。ボクの根城が綺麗に吹っ飛んだんですよ……これって労災とかあるんですか? とりあえず修復――というか再建費用って、まさか責任とって支部長負担とかじゃないといいなーって思ったり、思ったり……。
というか、彼らついに野生化しちゃったみたいですよ白虎さん。野生化ですよ野生化。ボクとしてはとうとう野に帰ったのか――としか思わなかったんですが、副支部長が「つ゛あ゛あ゛ーッ! あんらくテメェこの野郎ーッ!!」ってキレちゃって大変でした。
別にボクだってね? 好きでポルストニス支部が倒壊するのを黙って見ていたわけじゃないんですよ? ただね、ボクらが抵抗するほうが流れ弾で一般プレイヤーに被害がいく感じだったし、彼らもポルストニス支部の下にある地面がどんな色をしてるのかを見たかっただけみたいだったし、それならまあ放置が一番楽――もとい、一般への被害が少ないなーと思いましてね。
あ、余談ですがポルストニス支部の下の地面は真紫色でした。たぶん毒蛇事件の時に染みこんだ毒性が浮いて来ちゃったのかなと思います。再建する前に浄化活動から入らないと基礎がぐずぐずでどうしようもないので、ボクとしては腐食倒壊する前に魔王軍が更地にしてくれた分、解体費用が浮いてラッキ……あ、いえ、冗談ですよぅ、副支部長。
あ、野生化しちゃった奴らの話じゃなくて、ゴミの話ですよね。いけない、いけない。えーとですね、職員のみでの打倒とか副支部長は言ってましたが、無理だと思います。いやホントにいっぱいいるんですよ。ゴミなだけあってこう、部屋の隅に吹き溜まるホコリぐらいいるんです。流石ゴミ。
あ、ただね。〝エルミナ〟率いるPKギルド『ランバード』と〝エリンギ〟率いる『アダマス』、並びに魔王軍所属の〝あんらく〟と『人喰いガルバン』とは共同戦線張ってます。他にもテストプレイヤーが作ったPKギルドは軒並みウチと一緒に戦ってます。
なんか、彼ら的には「雑なPK活動なんか滅びればいい」っていう感じみたいで。ボク的には混乱ついでに彼らも葬っちゃいたいんですが、とりあえずはちょっとどつき合うくらいで、わりと仲良くやってるんで、あまり心配しないでくださいね白虎さん。
まあ頑張りますよ。ただ、すごく嫌でしょうが、ほどほどのところで白虎さんとルークさん、フベさん、お三方共同で演説うったほうがいいとは思います。特に魔王様は今回の件、本意じゃないでしょう? なら、締めるところは締めないと。
――……ただ、フベさんも白虎さんも、どちらも現場には出てこないほうがいいでしょう。適応称号スキルを甘く見てはいけません。事故死が権威の失墜に繋がります。今からセリア君の撤退は難しいでしょうが、彼もまあ、根性で頑張るでしょう。
ゴミ掃除くらいはボクらに任せてくださいな。それでは、また後で。
現在位置〝南端、ログノート〟 中心部!
あの、あの……! すみません、ルークさん! 支部長が怒り狂って飛び出して行っちゃったんで、代わりに副支部長としてわたしが報告いたします!
現在、〝南端、ログノート〟では
恐らくは白虎さんやルークさん、ロメオさんなど、有力なPKKプレイヤーを避けて〝迷宮都市、アルバレー〟より最も遠いログノートにいたものと思われます。
彼等は互いのギルドを一時統合し、合同ギルド『フェアリー・レギオン』と名乗り一般プレイヤーへの攻撃を開始。傘下に下ればPKしないとの演説に、一部のプレイヤーが特殊武器惜しさに『フェアリー・レギオン』へと味方をし、被害は爆発的に加速しています!
魔王軍所属の〝
〝
――……えっと、『薄明竜、フェルトダンパ』は〝蜜蜂〟によるものと思われる適応称号によって操られている様子で、もう何が何だかわからないような状況です!
相手が強すぎます、至急、複数の幹部クラスの増援を要請します! というかぶっちゃけ、一番近くにいる幹部ってセリアさんしかいないんで、
唯一の救いは、セーフティエリアから筋力のみでプレイヤーを引きずり出し、エリア外に連れ出して殺害する手法が厄介でしたが、先ほど〝月影〟という名のプレイヤーが榊と同じく適応称号裏スキルを発現。
――アナウンスでもうご存知かもしれませんが、今は彼の裏スキルが完璧に統括ギルドを覆う結界を作り出し、被害にあったプレイヤーを完全に守護しています。
そのため、増援の派遣が無理な様ならどうにかこうにか全てのプレイヤーの避難が完了するまで耐久します! 頑張ります!
現在位置〝石の街、ランプタ〟 統括ギルド前
野生化組とは共同戦線を張りましたが、魔王に一言物申したいです。〝どどんが〟とかいう無能of無能を戦地に送るのはおやめください。
彼は違う才能があると思います。戦闘作戦への運用は勿体な――なんです? 副支部長。何、ゴミが……はいはい……あんぐらディストピア化作戦なんて叫んでるんですか……へぇ。
ルーク――これより、ランプタ支部は野生化組〝どどんが〟並びに『大甲砲、黒虎』と共同戦線を張り、ゴミの殲滅を開始します。手は足りてます。増援は他の支部へ。
えー……
現在位置〝西端、アルトニコス〟 統括ギルド前
…………〝アオ〟と『闇の精霊王』と一緒に、適当にやってます。増援不要。無問題。特にめぼしい指定ランカーはアルトニコスにはいませんです、はい……つっまんねぇ……オレもログノート勤務が良かったなぁ……
現在位置〝常緑の街、ハウザード〟
ヘイ、ルークさん! 俺です! 飛燕君だよ! ぶっちゃけディストピアなあんぐらも見てみたいような気もしなくもないんですけど、大部分のメンバーの頭が悪すぎるみたいなんでやっぱり俺は
野生化組〝轟き〟と『妖竜キルケー』と共に戦闘中。現在は順調に制圧しつつあります。
ただ、指定ランカーの〝ボルボス〟がいます。フェアリー・ホルダー予備軍ですので、適応称号クエストが発生する可能性もあります。
当面の増援は不要ですが、予備が余っているようなら抑止のために派遣を希望しま――支部長、さっさと魔術撃って下さい! 魔王側の〝轟き〟の方が役に立ってるじゃないですか!?
現在位置〝塩の街、ダッカス〟 上空
現在、ダッカスはプレイヤー〝雪花〟と『水の精霊王』による環境魔術の影響で街ごと水没。その他、様々な要因からPKプレイヤーの動きも大したものではありません。
ただし、フェアリー・ホルダーである〝
恐らく、右腕の完治と共に動くと思いま――……え、狛犬君? ちょっと、ポムさん、あれ狛犬君じゃ……! いつの間に獣化解除してたの!? あんな派手に――ッ
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