第四十三話・半:邂逅
第四十三話・半:
満点の星空に、冷たい水の平原。そこに横たわる鈍色の巨大な鰐と、その周りで途方に暮れる大きなリカオンもどき。
魔力の水で作り上げられた平原は未だ消えず、きらきらと星空を反射しては神秘的な風景を保ち続ける。
そんな幻想的な風景の中で、リカオンもどき――ギリーはひたすらに上を見たり下を見たり。必死になって駆けだしたかと思えば急停止し、元の場所に戻って来るのを繰り返していた。
『主、主が……ッ。私が油断をしたばっかりに……!』
『落ち着け、ドルーウ』
『ギリーだ!』
長い足を忙しなく動かし、もどかしそうに動き回るギリー。それを落ち着いた態度で宥めるモルガナが、角を振り上げながら空を見る。
『……ではギリー。何をそんなに焦る。真の意味で死んだわけでもあるまい』
『そういう問題ではない!』
『人と触れ合うことに夢を見過ぎではないか? もっとこう、人と関わる時は期待しすぎるのもよくない。重荷になるし、失望も多い』
上げていた顔をギリーの方に戻しながら、モルガナは静かに言う。人と関わった事が無い学習性AIと、嫌というほど人と関わった学習性AIとでは見解が違うようで、ギリーは牙を剥き出しにしてモルガナに反発する。
『それは初めて人間と関わる私が、客観的に見てはしゃぎすぎだと言っているのか!?』
『その通りだ。字面のまま呑み込め』
『納得がいったら文句は言っていない!』
『感情の学習という意味では良い傾向だ。しかし、我には必要ないが、真に主の利益を望むのなら冷静さも必要だと情報に入れておくといい。我には必要ないが』
「……もっさん? なんで2回言ったの?」
『人は殊更重要な事を2度言うと聞いた』
だから言ったまでだと淡々と口にするモルガナに、2匹の様子を見ていた雪花がげんなりとした顔で空を仰ぐ。
大暴れしていた陸鰐が倒れ、止めを刺した張本人が死に戻りした直後から、ずっと2匹はこんな調子でちっとも雪花の言うことなんか聞きはしない。
ギリーはともかく、相棒である筈のモルガナまでもが取り合ってくれない以上、雪花もまんじりとこの場で足踏みを続けているのが現状だった。
「えーっと、ギリー君の方は聞こえなくてもなんとなーくわかった。ボスの行方ね? 多分そこの教会に死に戻りしてるはずなんだけ……」
『そんなわけは無い! だったら私が感知できている! 主は教会の死に戻り地点から私が感知できない距離まで離れたのだ! 何らかの方法で!』
「えー、ちょっと待ってー? 俺そんな吠えられてもわかんないからー……ほら落ち着こーよー。ねー? ……ちょっとホントお願いだからその巨体で牙剥かないでー」
ぐぉんぐぉんと吠えまくるギリーに、降参のポーズで溜息を吐く雪花。モルガナが怠そうに訳せば、納得の表情で雪花ががりがりと頭をかく。
「つまり? 今、ボスはここから離れた場所にいるんだと?」
『そうだ、だから探しに――! いやでも折角、主が1人で仕留めた初の獲物が……!』
「もっさん、これギリー君は何やってんの? さっきからぐるぐると陸鰐の周りで。腹減ってんの?」
『主を探しに行きたいが、そこな死体が主の初の獲物だから、放置しておいて盗られたくないんだそうだ』
「何それ忠犬……! ちょっと、もっさん見習ってよ」
『先程も言ったはずだ。我には必要ないがな、と』
『そんな話をしているのではない! まずは主を探さなければ!』
「ああ、はいはいはい、わかったわかった」
うぉううぉううぉう、と吠えまくるギリーをなだめながら、雪花が殊更がりがりと頭をかく。モルガナとギリーをそれぞれ一瞥し、深々と溜息を吐きながら肩を竦める。
ふと、遠くで小さな落雷。それを横目にした雪花がふぅんと囁き、拾い集めた狛犬の装備品を抱え直し、ぱちんとゴーグルをしてからモルガナの背を叩く。
「――わぁかったから。捜しに行くから……もっさん、陸鰐引きずってくよ」
『……それは真か』
「ギリー君が煩いし、それに下の奴等に渡すのはなんか癪だしぃー?」
そう言いながら真下を見る雪花の瞳に映るのは、地上でたむろしているユア達の姿。段々と薄くなっていく水の平原を見て取ったのか、彼等は雪花が落ちて来るのを待っているのだ。この場を去れば、陸鰐の死体は勿論彼等が拝借するだろう。
「それは嫌でしょ。だからぁ……」
言いながら陸鰐に片足を乗せ、乱暴にその眼窩に突き刺さるナイフを抜く雪花に、疲れたように角を振り上げるモルガナの姿。
陸鰐の眼窩から零れた血が、水面を小さく濁らせていく。
「ボスは死んじゃったけど、任務遂行中だったからどうかなー、どうしよう。このまま放っておくか、探しに行くか、どう思う?」
『我は関係ない。が、ギリーは文句があるようだ。雪花よ、しかし賭けだぞ、それは』
上を見上げたまま動かないプレイヤー達をモルガナの紺色の瞳が一瞥し、傍らに立つ雪花が扇情的にナイフを指先でなぞる。
「そうかな? そうかも」
『賭けをするのか、全くもって合理的ではないぞ』
「俺はいつだって合理的なことしかしないよ。――エロ以外は」
『そうか。なら、理屈があるのだろうな』
「そうそう。合理的な賭け事だよ」
モルガナの呟きにご機嫌な様子で返事を返しながら、雪花は小さく魔法の言葉を唱える。
「〝契約の下 我が魔力をもって〟――」
囁きと共にざわめく水の平原に立ちながら、雪花はにやりと笑みを浮かべ、モルガナの輝く角に、血に濡れたナイフを叩き付ける。
金属と陶器がぶつかったような独特な音を立て、それを受け止めた螺旋の角が強く輝く。
水面にざわりと震えが走る。淡く波立ち、揺れる水面を見上げる彼等は、未だその未来を予見できないのか立っているだけ。
数秒後にこの水塊が丸ごと落ちてくるなんて、夢にも思っていないだろう。振り上げられた角が重さに垂れるように揺れ、愉悦を含んだ声が落ちる。
「だから――もっかい死んでね?」
雪花の軽い声と共に、森の中に再び悲鳴が響いた。
満点の星空を見上げ、草臥れた様子の男が項垂れている。男は茶色の瞳を瞬かせながら、じっと自分の眼下を見据えていた。
崖の中腹に開いた穴から見る風景は、ある意味で絶景であり、ある意味で地獄であった。
「……」
眼下に蠢く蜂の大群。飛び回っていないことだけが救いだが、それも夜の間だけだということを男は知ってしまっている。
崖の下、いや、谷の中腹と言うべき場所に開いた穴に、息を潜めている男――ルーは堪えきれない溜息と共に焦燥感に手を強く握りしめる。
「どうするか……」
谷底に蠢く大量の蜂は、月光に輝き純白の甲殻を光らせている。暖を取るようにひしめき合う蜂の大きさは、スズメバチよりも尚大きく、30センチほどだろうか。
肩に乗って同じ風景を見つめているフィニーが羽を膨らませ、震えながら自分の主人に身を寄せる。
宥めるように左手でそれを撫でれば、だらりと垂れた右手にも硬い毛の感触。視線を向ければギリーよりも巨大なドルーウが鼻先を寄せていて、自分も撫でろと無邪気に舌を出して甘えてくる。
「……のんちゃん、あのねぇ」
『やぁう、だいじょうぶだよ。まだ夜明けまで時間あるよ?』
呑気だからのんちゃんと呼ばれるドルーウは親しげにルーに鼻面を寄せ、ぱたぱたと軽やかに尾を振って慰める。
真下でぶんぶんと翅を鳴らす蜂など知らぬ顔で、にぃと不器用に牙を剥きながら笑みのようなものを浮かべてみせる。
「夜が明けたらどうなる?」
『刺されて死んじゃう?』
「……それが嫌だから聞いてんだよ、犬っころ」
『人いないと口悪い。ルーはそこだけが欠点』
ガラの悪い低い声で唸るルーに、ドルーウは呑気に欠伸を繰り返す。
自分の身も危ういのは自覚しつつ、それでもドルーウはその平静さを崩さない。じっと冷めた目で眼下を見るも、再び欠伸をして丸くなる。
『運も実力の内。助けが来なかったらそれまでの話』
押し黙るルーに軽やかにそう言って、ドルーウはころころと喉を鳴らす。不意に月明かりが洞窟に差し込んで、月が傾いた事を知る。
不意の明かりに目を細め、ルーが小さく奥歯を噛みしめる。
『おやすみ、ルー。明日までに誰かが助けに来ると良いね』
「ほんとにね」
小さな洞窟にぎゅうぎゅうになりながら、ルー達は静かに息を潜める。
平原震え
時刻は11時半。月と星が輝く真夜中への入口で、無表情な女が傍らのドルーウを撫でている。茂みの中で息を殺す女――アンナは、すぐ傍で号令を待っている2匹のドルーウと共に、じっと時を待っていた。
「……」
目の前でうろうろとアンナを探しているプレイヤー達。彼等の目的は恐らくアンナやニコニコを人質に取ることで、それらしい会話も聞こえてくる。
隠密スキルを持っていないアンナは息を殺し、ひたすらにチャンスを待ち続ける。腰に装着してある包丁の柄に手をかけながら、じっと待つ。
傍らで同じように身構えるトトとチビをゆっくりと撫でながら、赤い瞳が枝葉の隙間から、うろつくプレイヤー達を映し出す。人数は全部で4人。
待って、待って、待ち続けて、そしてようやく時は満ちる。他の3人が背中を向け、1人だけがこちらを向く。
その瞬間に、手をかけていた包丁を引き抜き、アンナは野生動物のように茂みから躍り出た。
「――っぁ」
茂みから躍り出たアンナの腕が閃き、そのぎらつく包丁で一番近くまで来ていたプレイヤーの喉を容赦なく掻っ切る。断末魔もろくに上げられずに、男が静かに崩れ落ちるのを確認し、片手を振って短く合図。
茂みが派手な音を立てたことで慌てて振り返った残りの3人が、アンナを認識して走ってくる呼吸の間をついて、2頭のドルーウが1人ずつスマートに仕留めていく。
驚きに一瞬だけ足が止まる残りの1人を、即座に接近していたアンナの包丁が仕留め、その白い頬に返り血を浴びながらすっと立つ。
燃えるような赤、しかし深みのある色合いの髪を揺らしながら、じっと神経を研ぎ澄ませる。
音、匂い、視界、全てを入念に確認してから、アンナは少しだけ息を吐く。包丁の血を拭い、大人しく従ってくれているトトとチビを労いながら顔を上げれば、月と星が輝いていた。
「……あれは」
月と星が輝く中、違和感を覚えてアンナはじっと目を凝らす。夜空、それは夜そのものの象徴だ。
そんな象徴的な夜がざらついているような異様な違和感。煌めく鱗を見た気がして、アンナはそっとドルーウ達と共に木々の後ろに身を潜める。
遠く、軋るような呼気と共に陰る世界。月と星を遮り、一帯を闇へと埋もれさせる。巨大、巨大な何かが空を横切り、世界が一時だけ閉鎖される。
巨大な黒い塊、そうとしか見えないようなものが上空を飛んでいる。翼持つものだろうか、風を切る羽根の音が聞こえ、そして次に空気が削り取られるような不思議な音が追随していく。
通り過ぎるにもたっぷりと時間をかけ、それは一つの方向へと真っ直ぐに向かっていく。
「あれは……“始まりの街”の方向……」
木々の影からそっと顔を出したチビが、小さく小さく遠吠えを上げる。それにつられたようにトトも同じく喉を反らし、遠く空を行く何かに伝えようとでもするかのように吠え声を上げた。
アンナが見守る中、森の中に木霊する吠え声は連鎖していき、どこからともなく様々なモンスターが空に向かって吠えはじめる。
「……これは」
犬の声、猫の声、鳥の声、馬の声、何だかよくわからない吠え声までもが入り交じり、夜を覆う何かに向けてモンスター達が合唱する。
何かはまた奇妙な軋む音を立てながら飛んでいき、そしてそれは唐突に世界に落ちてくる。
何かの声。叫び声ような、穏やかな囁き声のような、何とも言えないその音は世界に落ちて、モンスター達の叫びと合わさり、聞く者に不思議な感慨をもたらした。
叫びは続き、夜は更けていく。その不思議な合唱は、巨大な何かの気配が感じられなくなるまで続いたのだった。
同時刻、散り散りになった仲間を探すべく、アレンと共に行動していたあんらくは、VR経験上、初めての体験を味わっていた。
毛を逆立てながらも敬意を表するように姿勢を低くしているアレンの横に棒立ちになり、片腕を失くしたあんらくは、ただじっとその圧力に耐えている。
眼前に広がっているのは異様な光景。自分を追ってきていた筈のプレイヤーが焼け焦げ、そして一瞬で死に戻りさせられた不可思議な現象。
それを引き起こしたそのものが今、あんらくの目の前に君臨していること自体が、非常に稀有な体験であろうことは彼自身もわかっていた。
「……んだよ、そんな熱烈に見つめられっと照れるじゃねぇか」
目の前に君臨する大物。巨大な炎の塊とも言い換えられる、歪な鳥を模したような存在を前に、あんらくは乾いた唇を舌で湿らせる。
巨大な火の鳥。鳳凰とも朱雀とも趣を違えるその威容は、全身が炎そのもので出来ている部分にある。
橙色の嘴と瞳。輝くそれも炎で出来たものであり、巨大な炎の鳥は堂々と羽を広げ、矮小な存在を見下ろしている。
構えたグラディウスは、この炎の鳥の為に用意したものではないが、向こうがかかってくるなら迎え撃つくらいの気概が、あんらくには存在した。
好戦的な彼は腰を落とし、炎の鳥はその一挙一動に目を細める。アレンが戦闘を拒否するように首を横に振り、あんらくの服の裾を噛んで引っ張ってくる。
自分の安全を第一に考え、短い間ながら上手くやってきた相棒の訴えに、流石のあんらくも矛を収めるべきか躊躇した。
鋭い目が少し和らぎ、片手で構えたグラディウスをゆっくりと鞘に収める。炎の鳥を睨みつけたまま後ろへ下がり、アレンが一歩前に出る。
森の中で先程から聞こえた声が何も聞こえない。モンスター達も息を殺して見ているのか、気配だけは周りから感じられる。
巨大な炎の鳥の前に踏み出したアレンは軽く会釈し、そうしてから喉を反らして吠え声を上げる。
長い長い遠吠え、その吠え声は森の中に反響し、つられたように次々と他のモンスターも叫びだす。
「なんだ……?」
炎の鳥はじっとそれを見ていたかと思えば、唐突に羽を広げ直し、ばさりと火の粉を振り撒きながら飛び上がる。
アレン達が遠吠えを上げる中、モンスター達の声に見送られながら、巨大な鳥が夜空を駆け上がっていく。火の矢のように空に上るそれを見送り、あんらくは訝しげな顔で夜空を睨む。
あれは何かを問おうにも、自分には通訳の為の手段がない。こういう時に色々と知っているフベがいれば便利なのに、と思った瞬間に、思い描いていた通りの声が思い描いた通りの皮肉と共にかけられる。
「やぁ、ぼけっと間抜け面で見送っちゃってあんらく君。久しぶりだね。元気だった?」
「よぉ――フベ。お前もやたらボロボロだが、そんなに泥遊びが楽しかったか?」
皮肉による応酬は彼等にとってのご機嫌いかが? と同義のものだ。互いにそれで状態を確認し、そして大した被害はないという結論に至る。
改めて不機嫌な顔でフベを睨みながら、あんらくが無言で首を小さく振れば、フベは心得たように頷いてから喋り出す。
「――あれはね、多分“精霊王”だね」
「あぁ? 精霊王?」
「そ、あんらく君。ちゃんと教えたでしょ、三王の伝説」
「憶えてるっつーの。じゃあ――そうか、あれが……」
「三王の内の一柱。精霊王」
おそらくは“始まりの街、エアリス”で開催される三王を祭る時期に合わせての訪問だろうと、フベは静かに推測を述べる。
「さっきね、掲示板でも話題になってた。西の方では竜王らしき巨大な飛行生物を確認したとか。その時、モンスター達が一斉に吠えはじめたから気付いたみたいだね」
「竜王……」
「なんでも、月も星も、夜空も覆い尽くすほどに巨大なんだとか」
「……残りは?」
「“獣王”はまだ報告が上がってないね。でも、こんな風にモンスター達からの歓迎は受けないんじゃないかな」
無言で何故を問うあんらくに、フベは静かに肩を竦めてみせる。
「だって、“獣王”の記述読んだでしょう?」
「創造を司る、精霊王。祝福を司る、獣王。生死を司る、竜王。精霊王、その魂は全ての魔力の素を生み出し、獣王、その意思は様々に色を変え変質させ、竜王、その力は世界の循環そのものを司る」
ぺらぺらと、短絡的な思考しか持ち合わせていないような見た目で、あんらくは滑らかに記憶している文献の記述を諳んじてみせる。
目を瞑って聞いていたフベがそうじゃないと首を横に振り、あんらくがじっと目を細める。
「そこじゃないよ、最後の一文」
酷く愉快そうに、しかし同時に恐れるように。フベは噛みしめるように記憶を正しく、声へと変える。
「――“獣王”は」
そこまで言って声は途切れ、フベは静かに腰元のポーチを探る。不満げなあんらくを宥めるように片目を瞑り、フベは空に小さな雷を出現させた。
小さく苛立ちに由らない舌を打ち、あんらくを連れてその場を去る。空には月が再び顔を出し、明るい星空が光っていた。
〝始まりの街、エアリス〟の文献にはこう記される。
創造を司る、精霊王。
祝福を司る、獣王。
生死を司る、竜王。
精霊王、その魂は全ての魔力の素を生み出し、獣王、その意思は様々に色を変え変質させ、竜王、その力は世界の循環そのものを司る。
世界は三柱の王によって成り立ち、安定している。
かつて、勇者エアリスと共に戦い、そして眠りについた竜王と精霊王。かつて勇者と対立し、世界に大きな爪痕を残しながらも、他の二柱と戦い続け、封印された獣王。
〝始まりの街、エアリス〟では世界の安定を願い、三王の御霊を鎮めるための祭りを行う。
黄麗の節気にて三王の魂だけが集う。
そうして、〝始まりの街〟は祝福される。
正式な文献はここで終わる。そうしてから最後のページを捲れば、著者のあとがきが記されている。そして、そのあとがきの一番最後。
小さく、印刷された文字ではなく、走り書きのような文字で何かが書かれている。
その小さな言葉に、どれだけの意味があるかわかりもしないが、誰もがその異様な不気味さに思わず本を閉じるのだ。
最後の言葉は、こう記される。
〝邪悪な猫〟
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