刀水書房 ある反戦ベトナム帰還兵の回想

昨日、W.D.エアハート著「ある反戦ベトナム帰還兵の回想」を読了しました。


両親、教師、それに政府から植え付けられた愛国心から海兵隊を志願した高校生のエアハートが、いかにして かつて自分が誇りにしていたはずの祖国に幻滅していったか?

その過程が克明に描かれています。


友人の死、ベトナム人の老婆を殺した事、帰還兵に対する祖国と社会の冷遇、全てが彼を打ちのめしました。

彼は誰かを殺す度に、米国に自分の魂を抉り取られていきました。


このような経験を味わう事のない人間は幸運です。

神仏を尊ぶ事を忘れ、底知れぬ傲慢と、旧き世界の悪意に酔い痴れ、この世の終末を讃えるようなグロテスクな宴に熱狂しています。

今の日本には老若男女問わず、そういった間抜け共は掃いて捨てるほど居ます。


とまあ、そんな権力側と人民の関係性について、現代の日本に生きる私にとって本書は実に示唆に富む内容でした。


次は「越南義烈史 -抗仏独立運動の死の記録-」イキます。


刀水書房 大好きです。

でも高いのよね。

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