〜第3章〜別れ

 1時間後。|神楽(かぐら)さんが車で私を迎えに来た。

「やぁ、君が|深藍(ふかあい)さんかな?さぁ車に乗って。俺たちの家に行くから。」

「はい。よろしくお願いします。」

そして私は、車に乗った。


 その頃、|綾斗(あやと)は遥からのメールを見て驚いていた。

「おい、どういうことだよ。あいつ本当に何も言わないでどこかへ行く気だ。くそ。」

でも、彼は彼女から言われたことを思い出した。

(あいつが探すなって言ってるから探さない方がいいか。)

そして、2人は別れることになった。


 車で|白縹(しろはなだ)の家に向かっている2人。

「ねぇ君はどんな感じなの?あいつになんか言われた?」

「いえ。でもあの方は私のことを考えていたように思いました。」

「そうか。その間に着いたよ、俺たちの家に。」

目の前に1つ家がある。どう見ても山奥に見える。

「本当にここなんですか?」

「街中に家があったら俺たち辛いし。君もそうでしょ?あまり人が多いいところにいたくないでしょ?だからこの場所にあるんだ。」

そう言いながら車を止めた。彼が車から降りたので私も彼に続いて車から降りた。彼についていき、家の中に入った。

「ただいまー。|千草(ちぐさ)いるかー?」

「おかえりなさい、神楽さん。その子が?」

彼、千草さんが私を見ながら言った。

「そうだ。こいつが白縹が言っていた奴だ。深藍遥。俺たちより多分能力は高い。見てやってくれ。」

「わかりました。深藍さんだったかな?俺は千草。名字は嫌いだから教えない。千草でいいから。よろしくな。検査するから俺についてこい。」

(神楽さんと私への態度の差が...)

廊下の突き当たりについた。

「この部屋だ。」

そして、部屋の扉を開けた。中には色々な道具があった。

「まず君には俺の気持ちを見てもらう。できるだけ細かく。」

「わかりました。よろしくお願いします。」

そして検査が始まった。嬉しい。悲しい。怖い。怒り。オレンジ。水色。黒。赤。私は出来るだけ細かく言った。それらがどんな風に見えているのか。

「それが全てか。確かに、俺たちの中ではお前が1番情報が多いい。大変だったら言え。俺たちはお前の気持ちわかってるから。1人で抱え込まないでいつでも俺たちに言え。」

「優しいんですね千草さんって。神楽さんと私への態度の差が激しくて私、嫌われてるのかと思いました。」

「初対面で、いきなりは嫌わない。次は脳の動きと視界がどんな感じなのか調べるこれで終わりだ。」

私はベットに横になり、ゴーグルのようなものをつけた。私の視界には強制的にあの景色が広がった。どんどんそれがひどくなり気持ち悪くなってきた。初めてだ。こんなにもひどくなるのは。

「千草さん、まだやるんですか?もうそろそろ限界です。」

「分かった。今止める。」

そうして私の視界は暗くなった。ゴーグルを外し、今起きたことを思い出した。

「すごいですね、さっきの。人を実際に見ていないのに。」

「俺が作った。」

私は驚いた。これを作ったのかと思うとすごすぎて言葉が出ない。




続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る