第47話 ゴールデンウィーク二日目
僕はSSSのインプット方法をシンヤに教えてもらうと同時にシンヤにラボの合いカギをもらった。
「好きな時に使ってくれ」
シンヤはそう言った。僕は高性能な秘密基地をもらったみたいでテンションが上がりっぱなしだった。
ゴールデンウィーク二日目、僕は朝5時に早速ラボに向かった。まずは僕の事前信号データを取らなければならない。まず、事前信号調査用のスーツを装着、生体信号読み取り開始のボタンを押す。電子音が鳴動後、指を曲げる、膝を曲げるといった確認項目の動きをする。最後に読み取り終了のボタンを押す。これを一万項目繰り返さなければならない。単純作業なのだが、退屈過ぎて気が滅入りそうになる。一項目、大体5~6秒ほどかかる。単純計算で1時間六百個。休みなしでやっても、一万項目終わらせるのに十八時間はかかる計算だ。
朝7時、シンヤがラボに顔を出した。
「シュウ!? こんな朝っぱらからやってんのか!?」
「おはよう。シンヤ。お邪魔してるよ」
「そんなに気合入れなくてもいいのによう……。ぼちぼちでいいぜ、ぼちぼちで」
「わくわくして早く来ちゃったんだ」
「そうか、ま、お前がやりたいってんなら良いんだけどよ」
シンヤはこれからサッカーに行くと言ってラボを出て行った。帰りは夕方になるそうだ。僕は取りあえず、その時間まではラボにいるよ、とシンヤに伝えた。シンヤが出かけた後も僕はひたすら作業を繰り返した。不思議なもので、慣れて来るとこんな退屈な作業も少しだけ楽しくなってくる。
夕方になってシンヤが帰って来た。こんな時間までサッカーをやり続けていたのだろうか。すごい体力だな。
「たっだいまーっと。どうだ、シュウ、順調か?」
「うん、おかげさまでね」
「あんま根詰めんなよー。オレ疲れたから飯食ったらすぐ寝るわ。お前も無理すんなよ」
「うん、ありがとう。もうちょっとやらせてもらうよ」
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