0002あふたー「たのしーいちにち」

広大な草原が広がる、さばんなちほー。

お隣のじゃんぐるちほーに住むコツメカワウソは、今日もここに遊びに来ていた。






何か面白いものは無いか、と散歩がてら適当に歩いてみる。


しばらくして、遠くに何かバタバタと動くものが見えた。

気になって駆け寄ってみると、その物体はどうやらフレンズのようで、土の中でもごもごと喋っているのが聞こえてきた。


どうやら「助けてー!」「引っ張ってであります!」と言っているようなので、言われた通り引っ張ってみる。


土中から頭を引き抜かれ、ゴホッゴホッと咳き込みながらも、助けてくれたことに感謝を述べる。

声の主は、穴掘りが好きなことで有名なオグロプレーリードッグであった。



「きみの遊びもなかなか面白そうだねー!」



と言ってみるが、どうやら彼女は遊んでいたわけではないらしい。



「このあたりの土がどんな感じか調べていたのでありますが、いつの間にか埋まっていたであります…」


「で、どうだったどうだった?ここらへんの土、どんな感じ?」


「そうでありますな…良くもなく悪くもなく、といった感じであります。巣穴にするには、何か物足りないでありますね」



土に詳しいわけではないが、興味があったので聞いてみると、そんな答えが返ってくる。

その返答を聞いて「それなら」と、とある提案をしてみる。



「昨日わたしが掘ったとこに行ってみる?あそこの土は掘りやすくて楽しかったよ!」


「本当でありますか!?是非案内をお願いしたいであります!」


「じゃあ、れっつごー!」



こうして、2人はさばんなちほーを後にし、隣のじゃんぐるちほーへ歩みを進めた。





「そういえば、コツメカワウソどのも穴を掘るのでありますか?」


「掘るよー。たまにだけどね。水場のそばを掘ったりするんだー」



鬱蒼としたじゃんぐるの中を歩きながらそんな会話を続けていると、1つの水場に辿り着く。

自分もよく利用している、とっておきの水場だ。

広さもそれなりにあり、水浴びや遊びに来るフレンズも多く、いつも賑やかで楽しい場所だ。

今日も数人のフレンズが既に来ていたようで、手を振るなどして挨拶を交わしながら、目的の場所へ到着する。



「ここだよ!昨日はこのへんをちょっと掘ったんだよねー」


「ふむふむ…。確かに良い感じがするであります…!も…もう我慢できないでありまーす!!」



そう叫ぶやいなや、プレーリーは物凄い勢いでその場を掘り始めた。

余程掘りたかったのであろう、勢いは留まることなく、ほんの数分で周辺は穴だらけになる。


しばらくして、プレーリーが穴から出てくる。

どうやら、今回は埋まらなくて済んだようだ。



「ふぅ…こんなものでありますな」


「おー!プレーリーすごーい!」


「とても良い土だったので、ついつい掘りすぎてしまったであります。後で必要な分以外は埋めるであります」



どうやら、満足してもらえたようだ。

相手の笑顔に、こちらも自然と嬉しくなる。

時間をかけてここまで案内した甲斐があったというものだ。



「わたしも一緒にやるよー!埋めるのもたのしそー!」


「いいのでありますか?助かるであります!」



その後はプレーリーと周辺の穴を埋めながら、たくさんお喋りをした。

それを見ていた他のフレンズも何人か手伝ってくれたりして、最終的には水場にいたフレンズみんなで穴を埋めたり、また掘ったりして一緒に遊んだ。

プレーリーも、心底満足した顔で帰っていった。



今日もたのしー1日が過ごせて満足だ。

きっと明日もたーのしー!

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