第37話 一三用間編2

○超訳 13-2


言い切ろう。以上を踏まえれば、

将軍が軍内でもっとも信頼すべきは

間者である、と。


間者の報酬を最も厚くせよ。

間者には隠し事をするな。


間者の扱いは非常に難しい。

様々な現象を多角的に推察し、

名実が伴った間者への信頼を示し、

細やかな機微を拾い上げられねば、

間者よりの情報は活用叶わぬ。


繊細、実に繊細よ!


間者が必要でない局面など、

ありはせぬ。


間者についての情報が、

諜報活動の前に漏れるのであれば、

間者、及び洩らした者を

抹殺するより他あるまい。


敵軍を攻撃したいのであれば、

敵城を陥落させたいのであれば、

殺しておきたい敵将がおれば、

守将やそれを取り巻く人物に

間者をつけて探らせねばならない。


敵が派遣してきた間者を見出し、

寝返るように持ち掛けよ。

反間は、こちらから

求めて得るものである。


反間より敵状を得れば、

郷間や内間の当ても見出せよう。

情報が詳細に集まれば、

敵方の利害も読みやすくなる。

そこで死間の流す偽情報が

威力を帯びる。

そして、生間のもたらす情報が、

攻撃の機会を示すのである。


これら5間の扱いをよく把握せよ。

そして、諜報の起点となる反間は、

殊に重要な存在である。

反間の寝返り工作には、

投資を厚く、厚くせよ。


殷が夏を滅ぼすにも、

伊尹のスパイが夏に潜り込んでいた。

周のときも太公望のスパイが、殷に。


明君や賢将は、

非常に優れた者を間者に仕立て、

敵国に潜入させたため、勝利を掴んだ。


情報。

まさしくこれが戦の要であり、

あらゆる作戦の基礎となるのである。



○明暗テンプレ 13-2


間諜には報酬にも増して、信用信頼を厚くする。 13-2-1

あらゆる局面に間諜よりの情報が機能すると知る。 13-2-2

間諜についての情報は秘中の秘とし、万一漏れた場合には、漏らした者、及び間諜の殺害も辞さない。 13-2-3

敵の情報こそが戦いの生命線であると知る。 13-2-4

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