第35話 一三用間編1

○超訳 13-1


孫子は言う。

いまさら言うまでもないが、

軍隊はコストの化け物である。


十万の兵を捻出するにも、

七十万戸近くに負担を掛け、

一日の維持にも大量の経費が掛かり、

まともに戦える軍になるまでの

訓練でも数年がかり、

しかもこれらが一日の会戦で溶ける。


これだけのコストの化け物を

抱えておきながら、

敵を知るための数百金程度を

惜しむような輩は、

バカである。

カスである。

クソである。

ゴミである。


敵を知ることに全精力を傾けよ。

繰り返すが、戦争は敵あっての行いである。

故にこそ名君や名将は、

まず敵を知ることに血道を上げる。


推移する事態を把握するのには、

占いに頼るのも、

物見の報告を鵜呑みにするのも、

過去の経験に頼るのも、

全てダウトである、と弁えよ。


信頼の置ける間者を養成し、

敵の内情をつぶさに把握すべきである。


よって、以下にて

間者についての考察を行う。


間者には5つの種類がある。


1:因間。

 敵国の現地人を買収する。


2:内間。

 敵国の役人や官僚を買収する。


3:反間。

 敵の間者を買収する。

 いわゆる、逆スパイである。


4:死間。

 いわゆるフェイクニュースを

 敵国内に流布する者。

 敵が、こちらに取って都合のいい

 リアクションを起こしてくれるよう、

 誘導するための間者。


5:生間。

 こちらから敵国内に派遣し、

 情報収集の上帰還する間者。


これら五種の間者を使いこなした上で、

誰にも悟らせぬようにする者が、

諜報の達人であり、

併せて国の宝である、とも言えよう。



○明暗テンプレ 13-1


情報を重要視=間諜にコストを掛ける。 13-1-1

どのような判断が危ういかを理解している。 13-1-2

・占いに頼る。

・物見の報告を鵜呑みにする。

・過去の経験に頼る。

間諜の運用を理解している。 13-1-3

・敵国の現地人を買収する。

・敵国の役人や官僚を買収する。

・敵の間者を買収する。

・誤った情報を敵国に流布する。

・敵国内に派遣し情報収集させる。

敵国からの間諜の買収を特に重視する。 13-1-4

ひそかに間諜を使いこなす人材を、特に厚遇する。 13-1-5

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