第30話 一一九地編2

○超訳 11-2


古より、戦巧者は敵を操る。


前軍と後軍の連絡を分断したり、

本隊の隠し球である

遊軍の機能を封印したり、

将軍と指揮官、兵士らを仲違いさせ

互助機能を打ち砕いたり、

軍の中枢より末端に連絡を

行き届かせるシステムを破壊したり、

兵卒への伝令を乱し、

布陣や敵襲への対応機能を毀損する。


人間はメリットに釣られて動く。

メリットなくば動かぬ。


ここで敢えて問おう。

敵の大軍が万全の備えの元、

満を持して攻め掛からんとしている。

この時、我らはどう動くべきであろうか。


速やかに敵の弱点を見出して攻め、

敵の判断力を奪い、

主導権を握るべきである。


戦いの趨勢を制御するには、

そのスピードこそが要点である。

敵の不備につけ込むにも、

敵の不意を突くにも、

敵の警戒をかいくぐるにも。


敵国深くに食い込めば、

もはや戦うしかない。

この執念に取り憑かれた我が軍を、

敵はそうそうに撃退できまい。

広々とした、豊かな地より略奪すれば、

全軍に食料も行き渡ろう。

休養は欠かさずとり、疲労を残させぬよう。

こうして士気を高め、鋭気を養い、

進軍させた兵を計略に乗せ、

敵の予測できぬところから攻め掛からせる。


逃げ場を断てば、兵は

死のうとも逃げ出さぬ。

むしろ死ぬまいと、

まさしく死力を尽くすようになる。


兵らは絶望的窮地に追いやられれば

もはや恐れを忘れ、

逃げるところを失えばその守りを強固にし、

敵陣深くに食い込めばいやでも団結し、

追い詰められればいやでも戦う。


これらの状況を活用すれば、

兵らは教育せずとも自らを律し始める。

任務を殊更に与えずとも成果を出す。

何も約束を取り決めずとも忠実、

ルールなくとも目的以外に見向きもせぬ。


占いを禁じ、迷信を取り除けば、

兵たちは死を恐れず戦おう。



○明暗テンプレ 11-2


敵をよく見極め、素早く対応し、翻弄する。 11-2-1

兵を、敢えて死地へと赴かせる。 11-2-2

占いを禁じ、迷信を取り除く。 11-2-3

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