第28話 一〇地形編3
○超訳 10-3
兵らを赤子と、我が子と気に掛けることで、
初めて兵らは死を恐れず将についてゆく。
ただし、可愛がるだけではならぬ。
任務を与え、命令を下さねばならぬ。
そこをなさねば、兵らは「乱」となる。
親を軽んずる子に、親が指示できようか。
こちらの兵の攻撃準備が完了したとて、
敵の防備が万全であることに
気付いておらぬのであれば、
勝算は半減しよう。
敵の防備が手薄であったとて、
こちらの兵の攻撃態勢が
整っておらぬのであれば、
勝算は半減しよう。
とは言え、敵の防備が手薄で、
こちらの攻撃態勢が万全であっても、
地形ごとの戦いが把握できておらねば、
結局のところ勝算は半減する。
戦巧者は、
いったん動けば迷いはなく、
いったん作戦を開始すれば
作戦終了まで遅滞がない。
その理由は、下記に尽きると言えよう。
知彼知己、勝乃不殆
知天知地、勝乃不窮
彼を知り己を知らば、
勝ちに即ち殆からず。
天を知り地を知らば、
勝ちに即ち窮まらず。
○明暗テンプレ 10-3
兵への細やかな配慮は、過酷なる命令とワンセットで用いる。 10-3-1
敵を知り、己を知った上で、戦う。 10-3-2
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