第27話 一〇地形編2

○超訳 10-2


軍の異常状態には、以下の6つがある。

敗北を招くこれらの状態は、

天災ではない。

将が引き起こす人災である。


1:走

 両軍の状態がほぼ等しいにも拘わらず、

 十倍の敵に突っ込んで

 行かねばならない状態。


2:弛

 部隊長の立場が弱く、

 兵士たちの立場が強い状態。


3:陥

 部隊長の締め付けが強すぎ、

 兵士が萎縮してしまっている状態。


4:崩

 将帥と幹部との信頼状態がなく、

 会敵の際にはそれぞれの軍が勝手に

 戦闘を開始し、しかも将帥が

 遭遇の事実を把握できておらぬ状態。


5:乱。

 将帥に権威威厳がまるでなく、

 統制がまるで取れていないために、

 宛がわれた持ち場に兵らが配されず、

 それぞれが気ままに

 振る舞っている状態。


6:北。

 将が敵について何も調査せず、

 闇雲に少ない兵を多い敵に当てたり、

 弱い部隊を強い敵に、

 或いはろくに前駆けを務める

 精鋭部隊も編成せず、突撃させる。

 このような有様。



いったん将に任ぜられたならば、

これらの状況が軍に起こっておらぬかを

検討せねばならぬ。


地形を活用すれば、

戦いは有利に進められよう。

良く敵を分析し、良く地形条件を調べ、

その上で戦うのが戦上手の作法である。


これらを重々に把握した上で

戦えば勝てようが、

そこを疎かにせば敗北しよう。


戦って勝てると確信するならば、

君主に戦うな、と命じられても

戦うべきである。

戦って負けると確信するならば、

君主から戦え、と命じられても

戦うべきでない。


連戦連勝しても名誉を求めず、

しかしいざ撤退を決めたならば、

処罰を甘んじて受け入れる。

ただ国民の全うにこそ腐心し、

その振る舞いの行き着く先が

結果として君主の目途に

合致するような人物は、

その国の宝として重んじるべきである。



○明暗テンプレ 10-2


敗北を招きうる、軍の異常状態を理解する。 10-2-1

・部隊長の立場が弱く、兵士たちの立場が強い。

・部隊長の締め付けが強すぎ、兵士が萎縮している。

・将と幹部との連帯がなく、軍の状況を将が把握していない。

・将がに軍を統率できず、兵の身勝手な振る舞いを許している。

君命であっても、敗北が確定している戦いは避ける。 10-2-2

君命よりも、君主の目指すヴィジョンを実現するための行動を優先する。 10-2-3

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