第19話 〇七軍争編3

○超訳 7-3



戦闘にて鍵となるのは、

いかに敵兵の士気を挫き、

いかに敵将の冷静さを奪うか、

である。


人間、

朝は気力に満ちておるが、

昼に差し掛かれば緩み始め、

夕にはほぼ底をつく。


ならば敵を伐つのに、

わざわざ意気盛んな時を

狙う必要もあるまい。

敵が戦うことに疲れてきたところを

叩けば良い。

兵の気力は有限である。

徒に浪費するものではない。


こちらは整然と待機させて

相手が乱れるのを待つ。

こちらは平静さを保ち、相手の心を乱す。

斯様なメンタルセットを為すべきである。


手近なところまで引き込み、

遠征した相手を迎え撃つ。

自軍の徒な疲弊を避け、

相手の疲弊を招く。

こちらの腹は満たしておき、

飢えた相手を叩く。

斯様な体制を整え、

戦局のベクトルを攻勢に

傾けやすく備えるのである。


肅然と居並ぶ敵の旗を攻めれば、

万全に整った敵の陣を衝けば、

当然被害は甚大な物となろう。

そのような事態を避けるためにも、

状況に対応し、変化せよ。


以上に基づけば、

以下の如き原則を導けよう。


高台の敵は攻めるな。

丘を背にしている敵から引くな。

偽りの撤退は追うな。

士気高き敵は攻めるな。

飢えた敵に食事の暇を与えるな。

そもそも敵の撤退は追うな。

包囲に必ず、隙を設けよ。

追い詰められた敵を

無闇に叩き過ぎるな。


いずれもが、こちらの損害を

拡大せぬ為の方策である。



○明暗テンプレ 7-3


人間のバイオリズム―気力は朝を最大とし、下がり続ける―を重視する。 7-3-1

戦争における悪手の典型を理解している。 7-3-2

・高台の敵を攻める。

・丘を背にしている敵を深追いする。

・偽りの撤退を追う。

・士気高き敵を攻める。

・飢えた敵に食事の暇を与える。

・敵の撤退を迂闊に追う。

・追い詰められた敵を無闇に叩き過ぎる。

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