第18話 〇七軍争編2

○超訳 7-2


敵の意図を把握せねば、

交戦の目途が立たぬ。


自然状況、殊に山林の配置、

高低差の大小、河川の流況を知らねば、

行軍は出来ぬ。


地元の案内人を得られねば、

地の利を抑えることは叶わぬ。


戦争はだまくらかしあいに

依って成立させねばならぬ。

得られるメリットに基づき

動かねばならぬ。

分散と集合とを自在に操らねばならぬ。


これらを項目的に示せば、

以下のようになろう。


其疾如風、其徐如林、

侵掠如火、不動如山、

難知如陰、動如雷震。

 其の疾きは風の如く、

 其の徐かなるは林の如く、

 侵掠せるは火の如く、

 動かざるは山の如く、

 知り難きは陰の如く、

 いざ動かるらば雷震の如し。

 

略奪をすれば兵に分け、

占領すれば領土を分け、

様々なメリットとデメリットを

秤に掛け、動く。


距離に惑わされず、

最速で決戦の地に辿り着き、

十分な準備を整えれば、勝つ。

これが、戦闘に至るまでに

踏まえるべき原則である。



軍のルールにある。

「声では轟音にかき消される、

 故に銅鑼にて指示を出す。

 味方の配置を見ようとしても

 見つけられぬ、

 故に旗を目印とする」

そこで銅鑼の音や旗を、

戦場の耳目の代わりとする。


規律が行き届き、

全軍がひとつの号令の元に

動くのであれば、

勇ましき者が突出することも、

怯えたる者が逃走することも、

有り得ぬ事となる。


夜の戦には火や太鼓の音が、

昼の戦には旗印が、

将軍の耳目の代わりとなる。



○明暗テンプレ 7-2


風林火山陰雷震。 7-2-1

厳密な規律、号令の下、勇者にも臆病者にも等しき働きをさせる。 7-2-2

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