第09話 〇三謀攻編2

○超訳 3-2


将軍こそが、国家運営をサポートする。

各将軍の連携が密であれば国は強く、

連携が粗雑であれば

国は弱い、とすら言えよう。


ここを踏まえて、君主が自制すべき

3点の行動を以下に示す。


1 行軍についての迂闊な判断

 軍には進むべき時、止まるべき時がある。

 この機微を察せぬ者が進退を号令せば、

 状況判断そのものに錯誤をもたらし、

 軍より判断能力を奪う。


2 軍容を把握せぬまま、訓練や物資、

  あるいは布陣に口を出す。

 君主が将軍以上に軍容を

 厳密に把握など出来はすまい。

 にもかかわらず隊を動かそうとすれば、

 混乱は必至である。


3 指揮系統の壟断

 戦時中の指揮系統の越権は、

 上下どちらにも拘わらず、

 従うべき命令の所在を見失い、

 命令従事者に疑念を抱かせる。

 斯くて軍より、行動力を奪う。


兵が混乱し、疑念を抱かば、

敵に付け入る隙を与えてしまおう。

軍が乱れれば、勝てる戦も

勝てなくなってしまう。


以上を総括すれば軍に勝利を呼ぶ、

5つの焦点を導ける。

この5点を抑えることが出来ておれば、

勝つ。


1 戦端を開くタイミング。

2 彼我の兵力の多寡に応じた戦い方。

3 頭脳から末端に至るまでに透徹した、

  勝利への希求、ヴィジョン。

4 盤石の態勢の確保と、

  敵を大いに揺さぶること。

5 有能な将軍と、

  余計な口出しをせぬ君主。



更に総括しよう。


知彼知己者百戰不殆

不知彼而知己一勝一負

不知彼不知己每戰必殆


 敵を知り己を知るらば、

 百の戦に不安要素なし。

 敵を知らねど己を知るらば、

 勝敗相半ばす。

 彼を知らず己をも知らざるらば、

 百の戦全てが博打となる。


以上が戦争の要諦である。



○明暗テンプレ 3-2


将軍の連携が取れるよう計らう。 3-2-1

君主は総司令の判断に介入しない。 3-2-2

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