宮内浩 春 15

「守田くんは中谷くんと仲が良いの?」

 と僕は尋ねた。


「同じ中学で、よくつるんでいたんだよ」


「なるほど、中谷くんは中学でもよく喧嘩してたの?」


「喧嘩しかしてなかったな。高校入試をよくパスできたな、校長でも脅したのか? って思わず聞いちまうレベルだった」


「実際、脅してたのかよ?」

 と守田の隣にいた坊主頭の男子が言った。


「いや、逆で。アイツ、姉貴に脅されて死ぬ気で勉強したんだと」


「へぇ、中谷って姉がいんのか。美人?」

 坊主頭が再度尋ねた。


「滅茶苦茶、美人!」

 守田裕の表情が今日一番、真剣になる。

「世話焼きで優しくて、お茶目という完璧なお姉さん! しかし!」


「しかし?」


「おっぱいが小さいんだよ」


 うーむ、と僕以外の男子が腕を組んで悩みはじめた。

 僕は疑問符いっぱいで周囲の男子を見渡す。


 なんでコイツら、世界が明日沈むみたいな顔してんの?


 坊主頭が今日一番の真面目な顔で口を開く。


「うちのクラスで言うなら、田中さんだな」

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