海を見てる
俺は今海を見つめている――
市川家の別荘のあるところから歩いてわずか五分のところにあるプライベートビーチ。
砂浜にビーチパラソルを刺して、広げたレジャーシートにみんなの荷物が置いてある。
「君もやはり
「な、なんだよ急に!!」
「君の視線が……」
「へ、変な事言うなよ!! 俺が見てるのはひろぉ~~い海だ!! 決して水着姿の女の子達じゃないぞ!!」
――そう断じて俺は見てないと言い張ってやる!!
「別に悪いとは言わん。むしろ君たちなら当たり前なのではないのか?」
「そ、そうかな?」
「君は優しすぎる。そして隠し事をするのが上手らしいな。それともその想いに気付いていないだけなのか? いや……フタをしているだけのようだな……」
隣でブツブツと言い始めたレイジを放っておいて、俺はとりあえずまた
――しかし良い眺めです。
サラッと説明しておこうかな。
カレンは赤いビキニです。さすがアイドルって感じに引き締まった体のラインが凄いですね。PVの撮影って言われても納得してしまう感じに動き回ってます。
市川姉妹の姉、響子もビキニを着てますけどこちらは白、おっとり系な響子にしては水着は少し大胆なのかな? 太陽に反射して眩しいです。
妹の理央は青い少し露出の多いワンピース。腰にパレオ巻指してるけどやはり響子と双子っ
相馬さんはセパレートタイプの水色の水着で、引き締まった体が今日に眼を引き付けるものが有ります。
あれ? そういえば相馬さんて部活やってるんだっけかな?
日暮さんは黒のちょっと際どい背中のスリットが特徴的なワンピース水着。巫女姿ではわからないけど、日暮さんも出るとこは出てて、きゅっと締まってて……
――いかんいかん!!
俺は海を見てるんだった!!
「お義兄ちゃんどうしたの?」
「い、伊織、お前その水着……」
ごくりとのどを鳴らす。それから目線が下から上に……
伊織は着替えるのに手間取っていたらしく、今になってから砂浜に到着したみたいだ。
まさか我が妹に限ってわざと遅れてくるなんてこて事はしないだろう。
「ど、どうかな? 似合わない?」
「え、あ、いや、うん。ば、ばっちり似合ってるぞ。うん。カワイイ」
――さすがに義理の妹をじっくりと見てるわけにはいかない。いかないんだけど!!
伊織は黄色いひらひらのついたビキニタイプの水着だった。白い体に白く長い足がバランスよく伸びていて、髪が太陽光でキラキラと茶色く輝いて見える。子供だと思ってたのに出るとこは出てきたし、キュッと締まったくびれなんかはそこら辺にいるなんちゃってアイドルとか目じゃない!!
「あ、アイドル降臨!!」
「え!? なに!?」
「い、いや!! 何でもない!! ほら!! みんな待ってるぞ!!」
「あ、うん!! それじゃぁね!!」
心の中でサムズアップする俺。
『まったく。小さい時からだけど素直に言ってあげたらいいのに。あなたの為にあの新しい水着買ったんですよ?』
「か、母さん!?」
「ほう……あなたはこの彼の母上ですか……見るからに霊体のようですが、これは……珍しいようですね。あなたからは何か強い力を感じる、悪い方ではないようなのでこのままでいてもらいましょうか」
『あらぁ、ありがとうございますぅ』
突然現れた伊織に
『で? あなたは何者なのです?』
ゴー!! うなる様な直球で行く母さん。
――カッコイイな。いやまぁ感心してる場合じゃないけど。
「私か……私はこの土地を守っていたモノ……と今は言うしかないかな」
『ふぅ~ん』
返事した言葉とは裏腹に母さんが冷えるような視線をレイジに向けている。
「ねぇ~!! シンジ君もこっち来なよぉ!!」
「一緒に遊ぼうよぉ!!」
浅瀬できゃいきゃいとはしゃぐ中から声を掛けられてそちらに視線を向けた。
こちらに視線を固定してたら凍えそうだから。
『ほらほら、あなた好みのお嬢さんたちから呼ばれてるわよぉ。早く行きなさい!!』
「え、いや、だけどさ……」
「うむ。ここは心配はいらない。私がしっかりと見て守っているから。それは私の得意とするところでもあるしな」
しっ!!しっ!! って手を振り振りする母。
――犬じゃないんだから!!
「わかったよ。じゃあぁレイジ頼む」
「任せてくれ」
『お嫁さんはどの
ここは母さんに任せてみる事にしよう。
色々と心に決めて、黄色い声の飛び交う中へと歩いていった。
※作者の落書きのような後書き※
この物語はほぼフィクションです。
登場人物・登場団体等は架空の人物であり、架空の存在です。
誤字脱字など報告ございましたら、コメ欄にでもカキコお願いします。
書いてて分かりました。やっぱり表現力が自分には足りないと……とほほ……
精一杯頑張りました!!
これからまだ少し浜辺編が続く予定ですのでそこも精一杯で書いて行きます!!
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