file0   -紡ぐ糸の先ー

file0 プロローグ 過去から繋がる今へ

※前書き※

 ここからあ始まるこのfile0は、真司と伊織が義兄妹になる前のお話。

物語の主人公は真司の父である藤堂慎吾。その男の恋物語――

※  ※




 何もない平和な普通な家族になるはずだった――


「ほら、いおり、はやくおいでよぉ~」

「まってよ、おにいちゃぁん」


 今目の前にいる子供たちは幸せになれるのか。横にいる妻は幸せに思っているのか。聞きたくても聞いてはいけない感じがして、その想いだけがずっと胸に重りをつけてるみたいにズシっとのしかかり続けている。


俺の名前は藤堂慎吾――

息子の真司は霊感体質というらしく、人ではないが見えているらしい。

らしいというのは、俺自身の職業柄、そう簡単に信じることはできないからだ。おれは刑事で事件を足を使って調べるタイプ。証拠は自分で現場を回って掴むもの。そうやって今の俺が出来上がっている。

 だが、このまだ幼い真司の力で解決したことが少なからずあることも事実。だから今は、頭っから否定できずに向き合っている。

 そして義娘[伊織]、この子は再婚相手[唯]の連れ子であるが今は本当の家族としてかわいがっている。ただ気になるのは、たまに誰もいないはずの方を向いて、すごく嫌そうな顔をしてることかな。


 妻は救急医療の医師で、今はそのリーダーをしているらしく、家に帰ってくることの方が珍しい。

 帰ってきても俺の事はほったらかしでいつも二人の子供と一緒にいる。たまに嫉妬してしまうことがあるが、今はそれがこの「家」の当たり前の風景なのだ。


「うあぁ~ん、おにいちゃんのばかぁ~~」

「あ、そ、そんなぁ~」


――なんて考え事も出来ないのが辛いところでもあって――嬉しいことでもある。

「真司、伊織ちょっとおいで」

 素直にてこてこ歩いてくる二人を見ながら親になったんだなぁって実感する。


 今は――





※作者の落書きのような後書き※


この物語はフィクションです。

登場人物・登場団体等は架空の人物であり、架空の存在です。

誤字脱字など報告ございましたら、コメ欄にでもカキコお願いします。



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