君は誰?
こんこん! こんこんこん!!
ばん!! ばん!!
「お
「入っていいぞぉ~」
「入るって……きゃ!!」
言うなり伊織は部屋から慌てて出ていく。
――まぁまさか俺が部屋でパンツ一丁で腕立てしてたらそりゃ驚くか。
「な、なんでそんな格好なの?」
「なんでって……寝起きだし、楽だからかなぁ?」
「もう!! いいから服着てよ!! 入れないじゃない!!」
「へいへい」
—―別に
なんて思いながらも、入ってこないんじゃ話も出来ないみたいだし、仕方ないから服を着るとしよう――
「いいぞぉ、伊織入っても」
「ほんと? ほんとにお義兄ちゃんっていつも無防備で……」
なんかブツブツと言いながら入ってきたけど、俺の近くに来てもまだブツブツ言ってるし。
「で? 連絡が来たんだろ?」
「あ、そうだった!! えっと、今週の金曜日の放課後にその
「金曜日か……。うん、わかった。じゃぁみんなのところにもそう連絡回しておいてくれ」
「わかったぁ」
そう言って部屋から出ていこうとする伊織。
「あ、伊織!」
「な、なに!?」
「金曜日、一緒に行くのか?」
「え!? 行こうと思ってるけど、どうして?」
「――いや何でもない……。 じゃぁよろしく頼むな」
「変なお義兄ちゃん」
言い残して伊織は部屋を出ていった。
今回の件に伊織がいてくれるのはすごく心強いんだけど、俺の勘では良いことで終わらない気がする。そんな時伊織の反応があまり見たくないと思った。小さい時から俺のこういう時の勘は良く当たってきた。今回もそうなるとは限らないし、そういう時が来たなら俺が盾になってやるって心に決めた。
集まったのは菜伊籐さんの通う学校の近くの公園。
ここからその
ここで相馬さんと菜伊籐さんを待ってるんだけど。
今のところ集まったのはいつものフルメンバー――
「藤堂さん、この近くなの!? 早くそこに行ってみたいよ!!」
—―だ、だれ? 何か知らない男の子がいるんですけど!!
「ちょ、ちょっと大野君!! あんまり騒がないでよ!!」
―—そんなやり取りをしてるって事は伊織の知り合いかな? ここに着いた時からいるんだけど、伊織にしか声かけないし話すタイミングもないな……まぁ伊織に任せておけばいいか……
そんな事を思っていると、俺の視線に気づいたのか伊織と話していたのをいったん止め俺の前の方へツカツカと歩み寄ってきた。伊織が慌てた様子でその男の子を後ろから止めようとしている。
「あの、お兄さんですか!? 初めまして。僕は
ペコっとお
「え!? な、なに? ちょっと聞いてないけど!!」
俺の事はそのまま放置するので、去っていく後ろ姿に唖然とした。そのまま伊織のところに到達すると何故か興奮して話しだしているようだ。
「ねね……シンジ君、あれって誰?」
カレンがとことこ寄ってきた。
「い い、いや、俺も知らないんだよ……。 伊織と話してるって事は同級生か何かじゃないかなぁ……?」
伊織と大野クンの方に目を向ける。
「割とカレシとかじゃないの? 伊織ちゃんモテそうだもん」
「そうなのかなぁ……何も言ってなかったけど……」
「あれ? なんかあんまり気にしてないみたいね」
「そりゃまぁ気にならないことは無いよ。義妹だし。でも伊織は俺と違ってしっかりしてるし、頭もいいし人気があったからなぁ。いても不思議はないと思うけど」
――小さい時から俺よりもいい意味で目立っていた伊織だから、あまり気にしてなかったんだけど、やっぱり目の前でそういう存在がいるかもって思うとなんか複雑なんだようなぁ。
「す、すいませ~ん。遅くなっちゃいましたぁ!!」
慌てて駆け寄ってきたのは菜伊籐さんだった。その側にいるはずの相馬さんの姿が見当たらない。
「あの、相馬さんは?」
「あ、それが夢乃ちゃんは急に用事が入ってこれなくなったみたいで……」
「そ、そうなんだ。それは仕方ないね」
――これで人数的には予定通りだな。知らないコもいるけど。
「じゃぁ、そろそろ行こうか。案内お願いするね」
「は、はい」
しばらく、といってもほんの数分の距離にその家はあった。
出迎えてくれたのはその家のお母さんだった。とても優しそうな感じがする。
割と近代的な一軒家って感じの広い造りになっていて、吹き抜けのある明るい室内だった。
案内された部屋の前に行くまでは—―
※作者の後書きみたいな落書き※
この物語はフィクションです。
登場人物・登場団体等は架空の人物であり、架空の存在です。
誤字脱字など報告ございましたら、コメ欄にでもカキコお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます