1.5章
第11話 新しい……モブ?
最近になって思うことがある。それはとあるソシャゲでアニメとコラボした事だ。
アニメとコラボ……これは確かに良いことなのだが。最近コラボするアニメ……異世界転生ものが多すぎじゃない?
そもそも最近のライトノベルのほとんどが異世界転生ものでしめられてるし。確かに異世界転生ものは面白い!俺だってかなりの数読んでるし、書くことは否定しない。
「けれども、オマージュはよくないよな。」
「それなら貴方こそ人間をオマージュすることはよくないわよ?」
「俺は人間だ!」
現在昼休みでお昼御飯を食べるため屋上に来ていた。
しかし!何故だか、青森と岬さんがセットで俺の後をつけてきた。
「何で二人してついてきたんだよ。」
「私は岬さんとお昼を一緒にと思ってただけよ?」
「私は萩本君が一人で可哀想だから一緒にどうかなとおもって?」
岬さんが最近青森化してきてるんですけど。しかもいらんお節介までしてきてる。
「……俺を一人にしてくれ。」
「「萩本君はいつも一人でしょ?」」
「何でハモるんだよ。マジで泣くぞ、高校生のガチ泣きを見せるぞ。」
「そんなことよりもさ~青森さんのクラスに一人だけ登校してきてない人いない?」
そんなことよりも……俺っていったい?俺の話だったよね?何、俺よりも知らないやつの話してる方が楽しいの?マジで向こうに行ってくれ!
「確か……西浦二鷹君だったかしら?そう言えば入学式以来見ていないわね。」
「よく名前まで覚えてられるもんだな。」
「貴方と違って人間だからかしらね?」
「俺も人間ですけど!!?」
「まぁ、まぁ、そこまでだよ。」
岬さんは仲裁に入り俺と青森を止めた。
くそ、何度も言うけど覚えてろよな!絶対後で後悔させてやる!
「ま、さっさとご飯食べよ?萩本君は自分のお弁当は持ってきてるの?」
「あ、ああ。自分で作ってるから毎日持ってきてるよ。」
そう言って俺は適当なところに座りバックから弁当を取り出した。
「ちょっと……。」
岬さんが此方を見ながら死んだ魚でも見るかのような眼差しで見てきた。
「な、なんだよ。死んだ魚でも見るような驚きようだな。」
「貴方が死んだ魚のようだからじゃないの?」
青森さんは黙ってましょうね。マジで一生。
「だ、だって、今自分で作ってるからて……。」
「それはどういう意味ですかね、岬さん?」
「だって、萩本君て不器用そうだから……。」
絶対見た目で判断しやがったな!
「あら、岬さん。見た目で判断してはいけないわよ?」
「……青森さんが萩本君を擁護した」
あ、あり得ない。青森が俺を擁護しただと?
「だって、もう判断するほどの見た目でもないのだから。」
「お前を信じた俺がバカだった!」
「……流石、青森さん。」
もう絶対にこいつだけは信じない!俺の純情を返してくれよ!
それから三人で昼御飯を食べることになり、その際にひたすら青森の罵倒と岬さんのゲームの話を聞くことになった。
「じゃあ、また放課後にね!」
「ええ、また岬さん。」
俺は手を少し上げ岬さんは自分のクラスの方に戻っていった。
「………さて、じゃあ萩本君もまた放課後に。」
青森が先に教室に入りドアを閉めようとした時俺は咄嗟にドアに手を滑り込ませ押さえた。
「おい、ちょっとまて。何平然と俺を教室に入れさせないようにしてんだ。」
「あら、貴方はこの教室の三個隣でしょ?」
「誰の教室がトイレだって。」
「はぁ、しょうがないわね。」
そう言うと青森はドアから手を離し、自分の席に戻っていた。
何がしょうがないわねだよ。あいつ最近本気でやって来てるから気を付けないとな。
はぁと、ため息をつき自分の席に着いた。そのときにある違和感を感じた。
「…………」
それは……入学式以来見ていないかった西浦二鷹が俺の前の席にいた。
西浦二鷹……髪の毛は目のところまで延びており、メガネを着用。制服は特に乱れたところもないし何より顔がモブ顔だ。
「…あ、あの。な、何んでしょうか?」
ジーと見つめていたため、西浦もこちらに気づき話しかけてきた。
「え、いや、入学式以来かなと思って。」
「…………」
西浦は俺が言った言葉に反応もせず直ぐに下を向き此方に反応を返さなかった。
「…………」
俺も反応が返ってこなかったので、そのまま自分の席に着き次の時間の用意を始めた。
……………………………………………………
「どうして、こうなるんだよ」
五間の授業が終わり最後の授業に入ったときにそれは起きた。
「………………」
前方には体操着の西浦、右側には青森、左には隣のクラスの岬さんがいた。
「貴方にそんなこと言われる筋合いないと思うのだけど?」
いや、あるだろ。罵倒とか、罵倒とか、罵倒とか。
「………………」
相変わらず西浦は黙ったまま此方を見つめている。
「そもそも、貴方が体育のペアを作れないのがこのメンバーになった一番の原因なのじゃないかしら。」
「なに、お前遠回しに俺が誰も誘えないと言いたいわけか!?」
「違うのかしら?」
会うたびに罵倒しやがって!もう俺のライフはゼロよ!これ以上攻撃されると全力で保健室に駆け込むぞ!
「お~い、全員組めたか?」
宇治姉の声が学校の校庭に響いた。宇治姉の担当教科、それは保健体育なのだ。つまり、今この時間割は体育の授業なのだ!
「ねぇ、私も一緒でいいのかな?他のクラスなんだけど。」
「大丈夫よ。宇治村先生には許可を取ってあるから。それに保健体育は合同だからあまりクラス内だけで組むと言う人も少ないのじゃないかしらね。」
確かに周りを見れば三組と俺達のクラスの人達がごちゃ混ぜでメンバーが組まれている。
「さて、今日の種目だけど………テニスとサッカーにするか。どっちがやりたいかメンバーで話し合って私の所に言いに来い。」
宇治姉め、もっと簡単な種目にしろよな。テニスもサッカーも走らなきゃじゃねぇか。
「う~ん、どっちにしようか?」
岬さんは青森、西浦、俺の順で目線を送った。俺が最後だったのは気にしてないからな!多分!
「……僕はテニスがいいです。」
西浦は手を上げていきなり発言した。いきなりの発言に岬さんと青森は驚いた表情を浮かべていた。
「俺もテニスかな。サッカーだとあのチンパンジーどもと一緒にやることになるかな。」
「あ、そ、そうだね。青森さんもそれでいいかな?」
「え、ええ、私はそれでも構わないけど。」
二人ともそこまで驚かなくてもいいんじゃないのか?西浦も少しビビっちゃってるし。
それにしてもだ、一つだけ西浦に対して疑問に思ったことがある。
「……………」
「何を考えているのかしら萩本君。」
いつの間にか俺の目の前まで青森が移動してきていた。
「うお!び、ビックリさせやがって。」
「あら、美人でごめんなさい。」
「言ってねぇから。」
それに青森のさっきの質問には答えられない。確証もなければ特定もしていない。
「で、結局何を考えていたの?」
「まだ、言えないねぇよ。」
「まだ、ね。」
そう言うと青森は岬さんの方に駆け寄りテニスコートに向かった。それに続き俺と西浦もテニスコートに向かって歩きだした。
……………………………………………………
「さて、テニスをするにしてもチーム分けはどうしようかしら?」
テニスコートに着いたが三つあるうちの一つしか取れなかった。
「男女で分ければいんじゃねぇか?」
「それでは男女の体力差が出てしまうと思うのだけど?それに岬さんて運動できないのではないのかしら?」
「わ、私だって!運動くら……い…できないかも?」
どうしたものかな。そもそも、俺もあまり運動が得意じゃないし、テニスなんてアニメの位でしか見たことないしな。
「じゃ、こうしましょうか。私と西浦さん、貴方と岬さん。」
「ま、それしかないよな。」
「じゃ、早速始めましょうか。」
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