Who Let The Dogs Out その5

それから皆、身体をふらつかせながらもギャリーへ戻りひと眠りつき休んだ後には、ここで起きた事がどれだけ凄惨なことかを改めて実感していた。



元は誰もが夢と希望に満ちていた乗組員達だった灰を集め、照美と俺の二人。穴を掘り埋めると廃材の十字架で墓標を立て、それを見つめる。


『俺が殺した、とか思ってない?』


「...」


95年の少年ばりにウジウジと顔を下に自問自答を繰り返す最中、照美の投げかけは的中していた。


『誰だってあの時全員を助けるなんて無理だったわ』


「それでも...」


『それでも!四人、生き残ったの。』


彼女なりの励ましを受け夜空を見上げるとまたもオーロラめいた光の幻想が広がっている。


「....乗組員の名簿あるか?」


『ええ、私も見るわ』


俺達は手を合わせ、ギャリーへと戻った。

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