第8話織女
あなたさまとひとたび契ってしまったがために、もう二度とは離れられぬ定めとなり、年に一度こうしてまみえるのも疎ましゅうございます。千年の恋というものがあるとすれば、人の身にあらざる神の玩具でございましょう。いつまでも儚い夢を見ていたい私は神にも人にもなりきれず、海を渡れば海人が恋しく、山を過ぎれば、あれに見える庵にて美僧があらゆる欲を絶って経文を写しているかと思うと、にわかにあこがれと恋しさが胸に去来するのです。それをお咎めになろうというのならば私のこの胸を突いて下さいまし。この身が滅びるのを待つ間に、幾人の男の胸に抱かれる夢を見るかあなたさまはご存じありますまい。
Twitter300字SS
第四十四回お題「約束」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます