世界から《魔法》が失われた後の物語

なぐも凛

終局の魔女とこれからの世界

トレント・シールズ著『終局の魔女とこれまでの世界』序文より抜粋


 帝政ヴェルウェスト陸軍近衛兵団内に存在する特殊部隊「リボンの守護者」は、実在の組織である。


 現在では主に安全保障に関する諜報部門としての側面が強いが、そもそもは人類歴百四十七年にジャック・レーザー特務大佐によって創設された、魔女狩り以降の《触れざる者達》に関する動向を監視するための組織を前身としている。


 人類歴二百七十年にヴェルウェスト公文書館内にて発見された史書は、創設期の成り立ちが詳細に記されており、研究者の間で注目を集めた。


 この文書により判明した立ち上げ当時の構成員には、初代司令官のジャック・W・レーザーほか、ギャレス・スワイヤ、フレッド・クルック、カート・R・シュワルツ、そして執筆者であるアクスウェル・ヴァン・ギャリックスなど、後世の歴史に名を残す錚々たる軍人たちが名を連ねていた。


 この作品において記載されている内容、主に人物、文書、歴史的な出来事、及び触れざる者達に関する記述はすべて事実に基づいている。


 そして《終局の魔女》ことレドロネット・ザトラツェニエは、現在もこの世界のどこかで健在である。


 おそらく。



*  *  *



【トレント・シールズ著『終局の魔女とこれまでの世界』序文より抜粋】

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