第8話 二日目 朝(2)
「私が、、、真占い師よ」
中村の占い師coに対し、新嶋も占い師coをした。占い師は本来1つしかない役職のはずだ、市民がわざわざ嘘を言うとは考えられない。つまりこれは……
「……対抗把握」
雷ヶ浜が言った。対抗、、これは役職がルールで決められた人数よりも多い場合の事を意味する。大体の場合は真占い師と狂人とかそういう人狼側の人が対抗になる。やはりそうなのだろう。脇部が言った。
「おっけい、なら中村と新嶋は誰を占ったか結果を言ってくれ」
「わかった」「了解」
二人同時に返事をする。まさに緊張の一瞬である。そして脇部の合図で二人は同時に言った。
「桜田さん白だ」
「荒井さん、白だったよ」
名だしされた人物は驚きながらも安堵の表情を浮かべた。完全にというわけではないが片方の白を貰えるのはデカイ。
「そうなると、進行は霊媒師か、霊媒さん出てきて」
雷ヶ浜が言った。彼女はかなりの知識がある。狩人は是非とも雷ヶ浜を守ってほしいくらいだ。
「じゃあ、私が進行なわけね。対抗はいる?」
そう名乗り出たのは荒井だった。誰も名乗り出ない、、、つまり彼女は真霊媒師か。
「じゃあ、進行は荒井に任せるよ」
脇部が微笑みながら言った。彼女も「了解~」と気だるけながらも言った。
「とりあえず、今日はグレランでいい?今グレーの人手をあげて」
「おいウェルナー、グレランとグレーの解説を」
神川が僕指名で言った、そのおかげだろう、全員こちらを見る。何だか疑われてるみたいで嫌な気分だ。逃げ出したくなる衝動を抑えて言った。
「グレーって言うのは占い師に見てもらってない人の事で、グレランって言うのはグレーの人をランダムで投票しようって意味」
「ランダムか……でもそんなのかなり無責任じゃねぇか?」
そう言ったのは驚くべき人物、菊岡だった。荒井が言った。
「あら、あんたがそんなこと言うなんて意外だね~、私的にあなたを投票したいけど」
「ほう、ならぜひともその理由を教えて欲しいものだな」
「だってあなたはだれかを殺害したことがあるでしょ?」
「そんなことを理由にするなんて、哀れだな」
進行の投票宣言というのはまさに死刑宣告に等しかった。しかし、そこを引かない菊岡も中々のものだ。
「寺口を殺したのは菊岡じゃねぇ、少なくとも今回はな」
そう言ったのは神川だった。中村が言った。
「神川、なんでそんなことがわかるんだ?」
「それはな、寺口の遺体だ」
「「「寺口の……遺体……?」」」
一同は神川の言葉を繰り返した。神川は一時置いていった。
「菊岡の御両親は首をかききって殺害されたんだろう?もし菊岡がやったのなら背中からわざわざ刺したりしない、ご両親のように首をかききっていたはずだ。第一その方が確実に相手を殺せるからな」
一同は異論を出さなかった。流石という声がちらほら聞こえるくらいだ。僕自身その考えに納得していた。
「とりあえず一旦解散させてもいい?また個別で意見をうかがいに行くから」
荒井のこの発言で一旦解散となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます