第9話 二日目 昼

 最悪の事態が起きた。ついに犠牲者が出てしまったのだ。事切れた寺口はまるで人形のように動かなく、周りの空気が淀んで見えた。

彼の遺体は施設内の花畑に埋めた。遺体は男子勢が協力して運んだ。

 僕らはその後広場へと集まった。

「人狼は市民に協力するつもりはないらしい、これはその意思表示か、神川、お前ウェルナーとなんの調査をしてたんだ?」

脇部が訪ねた。すると神川が言った。

「まず、死因を確認したが、これは言うまでもなく出血多量だろう。そして次にどのように殺害されたか調査した。結果、寺口の部屋の奥へ侵入そして部屋の奥側から背中に一刺し、倒れたところを腹部に十数ヵ所刺して殺害したと思われる」

「ちょっと‼なんでそんなとこまでわかるの?」

桜田が神川に訪ねた。すると彼はこちらに合図を送ってきた。続きは僕が言えという事だろう。

「遺体は頭を入口側に向け仰向けで殺害。つまりどちらにしろ寺口は部屋の奥まで人狼を招き入れた事になる。それがもし誘拐犯ならこんな中にまで入れないと思う。だから残念だけど犯人はこの中にいる……」

「流石探偵と助手の意見だ」

脇部が二人に言った。神川と一瞬にとは思ってなく、ただ純粋にうら

 「私の意見いい?」

大崎が言った。

「この事態引き起こした本人って中村君じゃなかったっけ?」

皆が一斉に中村を見た。そういわれた等本人はこういった。

「確かに、この事態を引き起こしたのは僕だ。でも僕は人狼じゃない」

彼は一拍おくと言った。

「僕は……占い師だ」

中村がco(カウントダウン)占い師をした。(なるほど、だからあんな思いきった発言が出来たのか……)

皆が納得し始める時だった。

「……嘘……だよ。彼は偽物だよ」

新嶋が言った。

「私が、真占い師よ」

ここに中村と新嶋の対抗が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る