第5話 一日目 (夜)
「デモ投票なんて意味あるのか?」
寺口がそう言った。提案者である神川は次のように言った。
「今誰が怪しいのか、また、誰が誰にいれたのか……今後に使える資料になるからな」
(なるほど、確かに今一番疑わしい人は知りたいな……流石師匠だ…)
僕はこの人の助手になれて本当によかった。そう思えた瞬間だった。
「じゃあデモ投票するか、いくぞ?、……せーの‼‼‼」
脇部の合図で一斉に手をあげた。僕は一番人狼であって欲しくない人物、雷ヶ浜を指した。
[デモ投票結果]
ウェルナー→雷ヶ浜
神川→中村
荒井→菊岡
桜田→菊岡
新嶋→寺口
大崎→中村
脇部→寺口
中村→寺口
白城→脇部
寺口→中村
雷ヶ浜→寺口
菊岡→ウェルナー
雷ヶ浜×1、中村×3、菊岡×2、寺口×4、脇部×1、ウェルナー×1
「ふざけんなよ‼‼なんで俺なんだよ‼‼‼」
寺口が唾を撒き散らしながら言った。恐らく決め手になってるのはさっきの雷ヶ浜の発言だろう。
「中村君も案外入ってるね」
雷ヶ浜が言った。
「いつも俺がしゃべることってあまりないからな、まあ仕方ないだろ」
中村が言った。確かに日頃とは大違いなくらい中村はしゃべっている。クラスメイトだからこそ言える理由である。
「ウェルナーや菊岡に入ってるのも意外だった」
神川の発言に荒井がいった。
「いや、さっきから菊岡ぜんぜんしゃべんないじゃん?だから怖くてねぇ」
「……ふん、くだらん……」
菊岡は低い声で確かにそう言っていた。菊岡は僕を指差しながら言った。
「俺がこいつにいれた理由は、ここは日本とは考えられないからだ」
「……日本じゃない?なんで?」
大崎の発言に対し、菊岡は言った。
「決定的な証拠はこの気候だ、こんな暖かい気温が12月の日本じゃ考えられねぇ、そうなると一番海外とつながるのがこいつしかいない」
確かにここは日本ではないと気づいていたけど、まさかそのまま自分が疑われているとは考えてなかった。
「とりあえず、本番はどうするの?」
「その点なんだけど……」
新嶋の質問に対し、中村がてをあげた
「次の投票は全員左隣の人に入れて欲しい」
この発言にまたも動揺が起こった。
「さっきの放送で投票が被った場合、被った人のみで決選投票を行うように聞いたろ?」
あ、そうなんだ。他の事を考えていたあまり、その情報を聞きのがしていたようだ。
「でもそれだと人狼も消えないんじゃ……?」
白城の質問にも中村は答える。
「そう、だから人狼は誰も殺さなければいい、人狼は殺すことができるだろ?だから殺さなければいけないとは違うから協力すれば全員生きれる」
「なるほど、いいかもな、それ」
中村の提案に脇部がのんだ。
「なら今回の投票は左隣の人、人狼は誰も殺さない。これでいいな?」
全員が頷いた。この中に人を殺すような真似をする人はいない……とは言えないが、協力できる気がした。
そして、、、投票結果は誰も死ななかった。
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