第4話 一日目昼(2)
放送が終わった間はしばし無言だった。最初に話題を切り出したのは脇部だった
「……とりあえず、状況を整理しよう。まず俺らは何者かによって誘拐された、犯人の要求は俺らが人狼ゲームをプレイすること」
「まずは、人狼をやったことがあるやつはいるか?」
中村の問いかけに多くの人が手をあげた。手をあげなかったのは新嶋、神川、そして、菊岡だった。
彼は両親の首を包丁でかききって殺害した容疑として拘置所に送られていた。僕が転校してくる前の話だったから実際にあった事がなかったが、そんな人物まで誘拐するのが驚きだった。
「人狼ならだいぶわかってるよ」
雷ヶ浜がいった。やっぱり皆を見てたのは経験者だったからなのか……
「雷ヶ浜さん的には誰が怪しいの?」
そう訪ねたのは女子バレー部部長の大崎だった。
「そうだね~、強いて言うなら寺田君かな?」
「は⁉」
名前を出された等本人は驚きを隠せずに声を出していた。
「皆放送を聞いてる時に、寺田君だけ心ここにあらずって感じがしたんだよね、まあ、まだ資料が少ないからなんとも言えないけどね」
「ふざけんなよ‼、そんな理由で俺を殺すのかよ‼‼」
「とりあえず、最初の投票どうするの?」
そう訪ねたのは最後の一人、白城だった。教室でもいつも一人でいることが多く、誰とも話をしてないように見えた。すると神川が言った。
「……1つ提案がある」
「どうした?神川?」
脇部が言った。神川は間を開けるとこう言った。
「今から、デモ投票をしないか?」
「……デモ投票?」
いきなりの提案に僕は聞き返していた。
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