第3話 一日目 昼(1)
僕は自分の役職を確認すると、広場へと向かうため小屋を出た。外は既に日が登っていた。そして目の前の光景に我が目を疑った。草が綺麗に生い茂り、花もところどころ咲いている。気候も暖かく、まるで幻想郷に訪れたような感覚だ。しかし……謎はさらに深まった。
(今は12月なはず、こんな草が生い茂れるなんて考えられない……まるで春だ)僕はそのことをとりあえず置いておき、広場へと向かった。
広場に着いた時には既に他のプレイヤーとおぼしき人達が集まっていた。中央には長机があり12個の椅子があって、何人かが座っていた。そして僕は驚愕した。なんとプレイヤーは全員僕のクラスメイトだった。そして、その中には神川の姿もあった。
「最後の一人はウェルナーか、そこ席空いてるから座りなよ」
そう話しかけてくれたのはクラスの学級委員の脇部だった。
「これで全員そろったな……」
脇部に続いて話したのは中村だった。
「なんでうちらのクラスだけ集められてんの?」
そう言ったのは女子グループのリーダーである荒井だった。
「……わけわかんないね」
荒井の腰巾着的存在の桜井が言った。
「とりあえず人狼ゲームってやつをやればいいわけね、ルール全く知らないけど」
クラスの妹的存在、新嶋が言った。
するとまさにこの時を待ってたかのように、また放送が入った。
『それでは、皆さま集まったようですね。ルールを説明させていただきます。まず……』
皆放送に聞き入っていた。たった一人を除いて……。僕はその人物を見た。
全員の顔を見ている様子の彼女は雷ヶ浜である。いつも一人でいる事が多い。だから目があった時に思わず目を背けてしまった。
(怪しくみられたか……?)
そんな僕を置いてくかのように放送が終わろうとしていた。
『……それでは投票は19時にそこの広場で行って下さい。皆さまのご健闘をお祈りいたします』
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