第7話 7

「いざ! 鎌倉へ!」


蛍たちは死人を生き返らせる方法の情報を得るために、鎌倉を目指していた。


「着いた! 鎌倉!」


蛍たちは無事に鎌倉に着いた。


「わ~い! 鎌倉!」

「賑やかな街ですね。」


鎌倉の賑やかな街並みに驚き喜ぶ楓桜姉妹。


「騒ぐな! クソガキ!」

「うちのカワイイ楓を悪く言わないで下さい!?」


蛍たちは仲良し。


「でもどうやって死人を生き返らせる方法を知っている人を探すんですか?」

「曲芸でもやって人を集めますか? ほい、ほい、蛍来い。」

「蛍ちゃん! 頭いい!」


着物の裾から蛍を飛ばして遊ぶ蛍。


「わあー!」


周囲から歓声があがる。


「ウケた!?」

「あの・・・ウケてるのは隣みたいですよ。」

「え?」


蛍が桜の指さす横を向くと人だかりができていた。


「さあ! さあ! 寄ってらっしゃい! 見てらっしゃい! 今流行りの妖刀だ。」


大道芸は妖刀だった。


「おお!? 刀が燃えている!?」

「すごい!? 妖刀だ!?」


いきなり男の持つ刀に火が付いた。


「火の妖刀! 解説刀!」


男は火の付いた刀を振り回し観客に見せる。


「すごいね! 蛍ちゃん! あれ? いない?」

「あそこでいじけてますよ。」

「・・・どうせ俺の蛍なんか・・・。」


蛍は自分の蛍芸が受けなかったのでショックを受けている。


「はい! 毎度あり!」


男はショーを終えて観客からのお金を拾っている。


「火の刀、すごいね。」

「んん? 子供か? 子供からはお金は取らないから安心してね。」

「お兄さん! いい人!」

「はあ!? なんか調子の狂う子だな。」


楓は男を良いお兄さんと認識した。


「刀に油を染み込ませ、摩擦で刀に火を着けているんだよね。」

「お嬢ちゃん!? どうしてそれを!?」


男は女の子に大道芸のネタがバレて驚く。


「実は私が囁いたことを、楓は言っているだけです。」


犯人は桜だが、男には幽霊の桜の姿は見えなかった。


「お嬢ちゃん!? いったい何者!?」

「楓だよ!」


男は楓の返答にコケるしかなかった。


「こっちは真面目に聞いてるんだけど。」

「あのね。うちの蛍ちゃんも妖刀を持ってるよ。」

「蛍ちゃん?」

「あれ。」


楓は、まだいじけている蛍を紹介する。


「男!? 蛍ちゃんは男なの!?」

「そだよ。」


男は蛍が男で予想外なので驚く。


「蛍が男で何が悪い!」


蛍が復活した。


「人の名前を笑う、おまえの名前はなんだ?」


蛍は男に問いかける。


「蛍って、結構、根に持つタイプよね。」

「だって、蛍ちゃんだもん。」


楓桜姉妹は蛍のことを分かってきた。


「築。炎の大道芸人、築だ。」


男の名前は、築。


「炎の大道芸人!? ハハハハハッ! かっこ悪い!」

「かなり根に持っているね。」

「蛍ちゃん、小さい男だね。」


蛍たちは仲良し。


「男女に言われたくないな!」

「あ、そういえばご飯を食べてないことに気づく。の築!」

「なんだと!?」


蛍と築は互いの友情を確かめ合う。


「蛍ちゃん! 頭いい!」

「楓、言葉の使い方を間違えてる!?」

「子供だから分かんない。」


楓は自分を子供だと言って逃げた。


「勝負だ! 俺の火の妖刀で燃やしてやる!」

「紛い品が! 本物の妖刀がどういうものか教えてやる!」


楓と築は勝負することとなった。


つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る