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こぐま座アルファ星

こぐま座アルファ星

東堂冴

おすすめレビュー

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★★★
★9
3人が評価しました
本文あり
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本文ありのおすすめレビュー

  • にゃんしー
    29件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    信仰のこと、それを託すこと

    この作品のタイトル、そして冒頭に描かれた風景が
    最後になってあのように終結するとは…。

    中高の弓道部の、少年たちの話ではありますが、
    これを青春と呼ぶにはあまりに胸が苦しい。
    才能と、努力と、それらを結ぶ線分のどこかでほつれた
    正しさの中で、苦しむ少年たちの群像です。

    優都、千尋、雅哉、潮、京、拓斗、由岐。

    ひとりひとりに抱えた思いがあって、
    追い求めている正しさのなかで、
    それを射止めるかのように弓を引く姿が
    美しかった。
    それは、例え正しくないのだとしても、
    的を射ることはできる残酷さも含めて。

    ラストシーンの手前、優都が自分の射型を見つける場面が、
    彼の原点を思い出させて、とても素敵だった。
    そして「こぐま座アルファ星」を見つめながら
    優都が思いを馳せるラスト。

    少年たちの葛藤が凝った描写に現れていて、
    読んでいて胸が苦しくなるのだけれど、
    それだけ満たされる作品でした。

    • 2019年1月14日 08:26