R2.7.5『あ、安部礼司』の感想

ひさびさのカレードカリーにランチに来た安部礼司。席数を少なくしていた店内の片隅に七夕飾りが置いてあった。触ようとした安部礼司に、サラちゃんがドントタッチ! 古代日本では禊――身の汚れを清める行事だった。穢れを持つものが触れてはならぬ、と怖い顔をするサラちゃん。嘘ですかわいい

 ⇒どこまでが嘘かな。


昔は本棚の「棚」にはた織りの「機」で、棚機と書いていたらしい。サラサラ流れる川のほとりである美しい女性が神様のためにはたを織る。それを棚に祀ったので『たなばた』。その行事が毎年旧暦の7月(つまり8月)に行われてたので七夕、と言われていた。

 ⇒旧暦だと今は6月。だから梅雨なんだけど。季節を感じられる旧暦と、経済を回す新暦をうまく融合できないかね。


しかし安部礼司は別のことを考えていた。七月七日は織姫と彦星が一年に一回会う日。しかし曇りだったら会えないんじゃ。一年ずっと待ったのに7月7日に会えないなんてかわいそうだ、と安部礼司。



初夏の午後、大日本ゼネラルの開発本部には、ゆるやかな時間が流れていた。


安部礼司は「自分でも気づかない歯に詰まったゴマが、なにかの拍子に取れて、歯でガシっと噛んだときに広がるゴマの香り。幸せな気持ちにならないか?」と心底どうでも良い話をした。



なんやかんかあって、恋愛の先輩である部長さんに、安部礼司が話を聞きに行く。照明が暗くなればなるほど人は小声で話す。焚火の火を見ながら話すように。

部長曰く、恋愛とは黒ひげ危機一発である。

タカラトミーから1975年に発売された商品。発売当初は、黒ひげを飛びださせた人が勝ち、というルールだったが、1976年の『クイズドレミファドン』で黒ひげを飛び出したら点を没収される、というゲームで使われて状況は一変。今に至る。


つまり恋愛とは、ルールがあるようでない、ということ。

昨日まで勝ちだったことが、明日から負けになることもある。

付き合い始めは、落ち着いているように見えたカレ(列に割り込まれてもイライラしないし、カノジョのサラダに虫が入っていても、それだけ新鮮だ、と青筋を立てない)。殺伐とした世の中でカレが出来た人間に見える。大人に見える。

でも、ある雨の日。ずぶ濡れのカノジョのために傘を買おうとせず、一緒にずぶ濡れに歩くカレの横顔をみて、思う。「あれ、もしかしてこの人、ただの鈍感じゃね?」

それが黒ひげ。一度飛び出したら二度と帰ってこない。コペルニクス的転回がある。



【悩みの森のお悩み相談室】

部長さんが来訪。恋愛マスターとしてみんなから見られているが、実は全然モテない。電車でGOはやっていても電車を運転したことはないの同じで、実践が伴わない。それがバレるのが怖い。


そんな悩んでいる部長さんに、サラさんがアドバイス。すでにバレている。97.5%の人にはバレている。

しかしそれを含めて良い。穢れを知らないあなたは、まるでフーテンの寅さん。他人は、魂の穢れに敏感。世の中には実践してはいけない妄想があるのです。

⇒これは結構深いかも。。



クワガタを飼うのは日本だけ。欧米じゃまとめてビートルと呼ばれている。なぜ日本だけクワガタを飼われているのかというと、クワガタの幼虫が朽ちた樹をすばやく分解してくれて山を豊かにしている。豊かな山にはクワガタがたくさんいた。



人は簡単に逢えなくなる。

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