R2.4.12『あ、安部礼司』の感想(コロナの影響,神保町のカレー屋)

安部礼司が、エイタから訊かれる。

「仕事ができる人ってどういう人?」

この質問に懊悩する安部礼司。この回答で、エイタの今後の仕事観が決まってくるのでは。

そういう安部礼司は自分では仕事ができない、と思っている。確かに、正確さが求められる仕事は苦手。しかし得意分野を磨くことで、一見仕事と関係ないところでみんなの役に立っている。たとえば神保町のカレー屋だったら、なんでも知っている。


・「ボンディ」の欧風カレー。

・「鴻」のスープカレー。

・「スマトラカレー共栄堂」では、10月~4月のあいだに平日午後二時以降に行けば焼きりんごが食べられる。

……などなど、


仕事のことはなにひとつ聞いてこないのに、神保町のカレー屋についてはみんな頼りにしてくれる。エイタにも、自分の得意なものをひとつ見つけろ、と親らしいことを言うのだった。


⇒組織って得てしてそういうところだよな。意外な特技が役立つ。これを社会という組織に言い換えると、意外な特技を持った人間からイノベーションが生まれる、ってことかな。かと言って「その人しかできない仕事」が増えるのは組織としては×だと思うけど。


またもエイタからの質問。

「会社のいろんな人と仲良くできないばあいはどうするの?」


それを聞いて昔を思い出す安部礼司。昔は、苦手な人いたなあ。

それはMAZDAさん。書類を提出すると、かなりの長考をする「ちょっと待った」から「一回考えさせて」の連呼で、なぞの決定先送りする面倒くさい上司。


飯野っす君も昔、面倒くさい後輩がいた。

なんでなんで、とすべて質問を質問で返すウザったい後輩。


⇒最近の若い子は「なんでなんで」と聞いてくるような気概はあるのかな。質問する、ってことは積極的に参加する、って意思だから、この仕事に本気で取り組みます逃げません、ってことになるよね(なるよね?)。むしろ良い社員じゃないの。

⇒「踊るダメ人間/筋肉少女帯」。大槻ケンヂの声って、若干、安部礼司に似ているかも。。


そういう安部礼司も面倒くさい奴。上司への報告のまえに大きな独り言から入る。大きな独り言で部長さんを誘い出し、相手から声をかけるのを待っていた。


⇒これも上に書いたことと同じだけど、先に声をかける、ってことは責任を取る、ってことだもんね。


そういう大場部長も面増くさい奴。いわゆる「逆に言うと」が口癖オジサン。全然逆でもないのに、なんでもかんでも「逆に言うと」を接頭語にする。会議の最後に「逆に言うと」と言って会議をまとめようとする。


⇒いるわ~。全然逆じゃないのに「逆に言うと」ってつけるの。そもそもなんで逆に言う必要あるんだろう。意外な着眼点を示したと思わせたいのかねえ。全然逆じゃなかったら冷笑対象なのにねえ。


ほかには、ヨイショちゃん、というのもいる。何かにつけて「よいしょ」をつける口癖。言動や語尾のすべてに「よいしょ」と付け加えるぶりっ子(死語かな)。


そして「ドリフのズンドコ節/ザ・ドリフターズ」が流れる。



昔は怖い上司もたくさんいた。今じゃパワハラ、セクハラと言われてそんな上司は減った。今は、部下との距離感を見極められる調整型上司の時代。

出向王子は部長に「もっと自分を出せ」と言われて落ち込んでいた。しかし安部礼司にとっては期待して発破をかけている。


悩む出向王子を安部礼司は昼飯に突き合わせて、「海カレー タケウチ」に行った。

なかは電車模型でぎっしり。安部礼司は「煮込みハンバーグカレー膳」。出向王子は「海カレー」をそれぞれ注文する。


安部礼司の頼んだ「煮込みハンバーグカレー膳」。日本昔ばなしのように盛り付けられた御飯に、色とりどりの野菜、大きなみそ汁と小鉢、というとてもハンバーグカレー膳とは思えないボリューム。

そして出向王子が頼んだ「海カレー」は、ルウの上で満開の桜が咲き、蝶々が舞っていた。ブロッコリーを細工して風景をかもしていた。ここは神保町一のビジュアル系カレーだった。


すべてがカオスなカレー屋さんで、自分の好きなことを出す、ということに自信を持った出向王子だった。


⇒成功体験を持つ人間じゃないと「好きなことをやる」はなかなか難しい。


会社で仕事をする強みは、苦手なところ得意なところ繋げられるところを活かし、会社の仲間で力を合わせて達成すること。


そうして出向王子が企画したカレーフェスティバル。平成の最後に企画して、来年のGW(つまり令和2年)に開催する話だった。しかしこの状況となったため、イベントは中止となった。去年の今頃は、世の中がこんなになるとは思わなかった。


⇒本当だよ。ぶっちゃけ一か月前も思ってなかったよ。



最後に今回の収録は3月26日に録ったとのこと。安部礼司は言う。

「ここにきて私たちは改めて、平凡な毎日というのは決してあたりまえのことじゃない、ということを痛感させられることになりました。この先に、はたしてどんな未来が待っているのかは、今は想像もできません。でも、がんばっていきましょう。会社の仲間と愛する家族と、力を合わせて、この困難をみんなで乗り越えていきましょう!」




【備忘:新型コロナによる緊急事態宣言にともなう身近な影響】

<在宅勤務>

・効率があきらかに落ちている。全然やった感を得ていない。景色が変わらないのが要因のひとつかな。

・相手先の〆切がある仕事をしているが、はたしてその〆切は守られるのかな(守ることが相手先もできるのかな)、と疑心暗鬼を抱きながら仕事をさばく。

・ワークライフバランス(笑)

・食事がすごく大事!

・新年度の定期券を買わなくてよかった!

<買い物>

・カップラーメンや納豆やパスタなどは「ご家族様ひとつ限り」が多い。家族で納豆ワンセットって、そんなの無理だろ。しかしそれでも陳列棚には商品が全然ない。

・マスクは当然のごとくない。それでもみんなマスクしてる。どうやって調達してるんだろう?

・もやしはたくさんあった。ありがたい。

<外出自粛>

・TVでは、渋谷のスクランブル交差点とかは人はガラガラとの報道。

・ランチ時、郊外の駅周辺のマクドナルドとかラーメン屋とかには平時みたいな行列ができていた。

・町を歩いているひとたちは結構マスクしている。

<その他>

・4月以降の倒産社は40件を超える。生きてたら回復できるが死んだら生き返らない。

・会社が出す休暇手当よりも国のから捻出される失業保険をもらったほうが額が多い、と言って従業員を全員解雇させる会社が現れる。


これほどの規模で世界中の人間がおなじ苦しみを共有する状況ってのは、いままであっただろうか? テロでも震災でも局地的な悲惨でしかないが、今回は全世界的だ。苦しみの共有は人々に強い連帯(絆)を生みだして、ほとぼりが冷めたら、ますます世界はボーダーレスになりうるのか。地球連邦も夢じゃない?

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