H30.8.5『あ、安部礼司』の感想

【第一話】

 一話目にゲストを使うことで安部礼司と絡ませないで自由に話を作れつつ、ゲストを存分に出させることができる、ということか。

 いつもの第一話より尺が長いのもゲストだから仕方ないのだろうか。


 『仕事を辞めたい』は『仕事を辞めます』と決意した時点で他人に打ち明けるのが必定でしょう。相談のかたちで他人の意見を聞いちゃうのは『他人のせいにしたい』ってことになるし。

 

 隣の芝生が青く見えるのは、入社2・3年目にはよくあることだが、それが錯覚なのか、真実なのかは本人が判断することだろう。

 ただし青い芝も時間がたてば青く見えなくなることも注意が必要だが。

 

 ◇


【第二話】

 大日本ゼネラルのさまざまな話。

 新しいアイスを選ぶ/選ばないで論争する部長と安部礼司。冒険をしない定番派の部長と、新製品・期間限定を試す冒険派の安部礼司。

 日常にひそむ無難と冒険の選択は、買い物哲学というもっともらしい無駄話として平凡な日常にうるおいを与えていた。

 しかし開発部署の部長なのに定番を選ぶのは意外だ。いや、開発部署だからこそ、仕事以外では無難を選ぶのだろうか。


 ◇


 オフィスの別のシマから、出向王子と飯野さん。エモいエモいと連呼する出向王子に、日本語の乱れをなげく飯野さん。以前、カタカナ英語をベラベラ話しちゃっていた飯野さんとは思えない変わり身の早さを見せながら、江戸時代からつづく由緒正しい乱れ言葉『ヤバい』とつぶやいた。


 ◇


 さらに他のシマではアンジュと姫川さんの妄想の話。

 エアコンの効かないオフィスで姫川パイセンが目をつぶって妄想の世界で避暑をする。


 ◇


 ふたたび飯野さんと出向王子の会話。

 つぎの話につなげるため、擬人化が流行っているという話。

 最後に飯野さんがぶっ倒れるが、これ一大事だろ。。。


 ◇


 姫ちゃん妄想の話パート2。

 外回り中のアンジュっちが、電器店のまえに立っている姫川国の女王(姫)を見かける。

 日立、三菱、大村ダイソン、高すぎバルミューダの4種類の扇風機王子たちをはべらして、そよそよと扇いでもらっていようだ。

 どの扇風機を買いかえようか迷って妄想していたようで、もう8月に入ってますよ、夏終わりますよ、と心配するアンジュ。

 しかしパイセンは、


『買い物は迷っているうちが一番楽しい』


 という買い物の真理を知っていため焦らない。結局4機種全部を購入するという定番で無難な回答をした。


 これはすごい共感できる! 迷うまでが買い物なんだよねえ。

 しかしね……迷っているあいだにもね……時間はね……進むんだよね……


 ◇


【第三話】

 キャンプという非日常をすばらしいものするため、エイタとキャンプ用品を買いにいく安部礼司。新しい車にキャンプ用品を詰めこむことを考えるだけでテンション上がりまくる安部礼司。


 カレーを作ったりコーヒーを淹れたりなどの夫にとっての非日常が、奥さんにとっての日常という言葉はハッとするものがあった。

 そんな奥さんの機嫌を損なわないため、テントのなかに敷くマットレスだけはチャンとしておけ、と部長の助言を思い出すのだが、ランタンというキャンプにおける男の夢を見つけてしまう。キャンプのしゅしゅしゅひん必需品であるランタンに恋をして頭から離れない。


 うわ、なんか分かる。キャンプはほとんどしないけど、マットレスかランタンのどちらかしかキャンプに持っていけないなら、迷いなくランタンを選ぶ。ランタンこそ非日常への入口だ。


『子供が子供でいる時間は案外短い』

 哀愁ただよわせながら語る部長の言葉には重みがある。


 ◇◇◇


 今回の話は全編『時間』が何かしらのカタチで絡んでいました。

 時間は元には戻らない。そんな平成最後の夏。

 そしてなんだか今日は総出演でした。

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