ニ〇〇四年に電撃文庫から『ストレンジ・ロジック: 鬼の見る夢』を出した佐伯庸介先生が、一三年ぶりのカムバック。
『昔勇者で今は骨』は、タイトルで分かるようにファンタジーよ。
魔王との最終決戦で瀕死の重傷を負った勇者アルヴィス。
命を繋ぎ止めるために、人間を滅びから救う最後の機会を逃さないために、仲間の女神官であるイザナに死霊術を施してもらい、スケルトンとなって魔王に勝利するわ。
魔王討伐後は真っ昼間からアンデッド達と墓地でボードゲームして遊ぶぐだぐだニート生活を送ってたんだけど、イザナが失踪してしまったと知らされ、彼女を探しに冒険を始める、そんな物語よ。
ここまで読んでどう思った?
「なんか主人公死んでるし、設定がめっちゃシリアスで骨が折れそうな物語」って勝手に決めつけてないかしら? 骨だけに。
ところが読んでみると、その印象は完全に逆転するわ!
確かに起こってることはシリアスなんだけど、描写が物語の暗さを全然感じさせないの!
主人公のアルヴィスは終始前向きで読んでて気持ちいいし、バトルは爽快感たっぷりだし、魔物や魔王の幹部も憎めないキャラだし、最後はなんだかんだで敵味方救われてるし。
読めば骨抜きになること間違いなしよ! 骨だけに。