【エネミー】終わりのあやか

「六道巡る、その終わり」


 輪廻の魔女から生まれた使い魔たち。一様にのっぺらな表情の黒い少女の形をしている。泥の中から自然発生し、主である高月あやかにもコントロール出来ない。放っておくとありとあらゆる生命体を飲み込んでいく。好き勝手這い回る化け物たちを支配下に置くため、仕方なく捕食した人間の皮を被せるのだった。

 格闘戦は一流だが、それだけ。単独個体でそれなりに強いが、あくまでもそれなり。


 皮を被った「終わりのあやか」は、元の人間そのままの姿と人格となる。その状態ならば意思疏通も可能であり、高月あやかは交渉なり力ずくなりで従わせて大人しくさせている。

 表情や思考も戦闘力も元の人間のままだが、大きなダメージを受けると少しずつ皮が剥がれていく。段々無表情になり、段々虚ろな目をし、やがて虚空に溶けて消える。


 皮を被って天寿を全うした「終わりのあやか」は、輪廻の魔女に再び捕食される。集めた業は魔女の格を高め、魔女を従える高月あやかは、また一歩神に近付くのだ。




・特殊エネミー

「エルフ」

 エルフパーク付近の虚ろな目をしたエルフたち。ダークエルフやアサシンエルフが厄介。一般のエルフも何人かいるが、生物を見ると容赦なく襲い掛かってくる。


「ヒキタテ=ヤーク」

 地方豪族ヤーク三兄弟の三男。

 二メートル近い大柄な鎧武者。巨大な赤熱槍『豪槍ヤーク』がトレードマーク。他、大剣二振りに脇差一振り。金属の熱量を上昇させ、巨大化及び分裂させる能力を持つ。熱耐性のある防刃手袋を嵌めている。

 兄弟の中ではパシリに使われ、その反動で外では不遜な態度を取っている。典型的な内弁慶。だが、実力は兄弟の中で一番高い。


「ヤラレ=ヤーク」

 地方豪族ヤーク三兄弟の長男。

 金髪モヒカンのひょろ長い男。上裸の上に直接革ジャンを着ている。もろヒャッハーな見た目だが、実直な性格。側頭部が禿げているだけ。

 青い衝撃弾『波動弾』を得意とする。他にも具現化した青い気を操って攻撃する。格闘はあんまり強くない。ただ、気を自分の周囲に張り巡らせて鎧の様にできる。

 口癖は「ヒャッハー」。


十二月三十一日ひづめあやか」

 何者でもない少女。

 「終わりのあやか」が「終わりのあやか」のまま自我を獲得した果て。見た目と性格は高月あやかそっくりだが、心なしかちょっと大人しくなっている。一人称は「俺」。

 「繰り返しリロード」の魔法を操る。

 一発のパンチを何発分にも増幅させる「ショット」。

 一歩分の前進を瞬時に繰り返して水色の道を生み出す「ロード」。

 一撃分の衝撃を増幅して相手の内部にぶち込む「クラッシュ」。

 自然回復力を増進させる「リペア」。

 それら全ては「リロード」による重ね掛けが可能。でも、その全てが高月さんの完全下位互換。彼女との差は、意外と話が分かること。説得して味方につけることは可能。高月さんと同じようにヒーロー願望がある。


「その他お好みに」

 好きな皮を被せて戦っちゃおう!




・裏話

 十二月三十一日ひづめあやか。

 前略二次創作の主人公。圧倒的本物の、偽物。真由美ちゃんと仲良くなりたいが、そっけなくフラれ続ける。それでも最後には高月さんとは別に、ちゃんと友達になれた。友達は、助け合わなきゃ。

 終わりのあやかに主人公属性を被せた特殊個体。ただの使い魔だけど、実力はかなり高い。でも、実力を披露しちゃうとまた真由美姫がイライラしちゃう。難しい。ラスボスの高月さんに木っ端微塵に粉砕された。それでも、本気を出させれば彼女の勝利だった。廃棄体→偽物→そっくりさん→あやか、と戦いの中で認めて呼び名を変える高月さん。全てを出し切り、満足そうに散っていった。

 社長戦争では、終わりのあやかとしてエネミー参加。偽物としてパトランプに捕食もとい逮捕された。釈放されたら次の企画でも使おうかな。

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