第1章 第一話[ひらめき魔王]

[ひらめき魔王]


魔王の部屋から出た神官は考えていました。


(魔王様が無気力になってしまわれて数年…。生憎勇者どもが魔王様の所までやってくる事態は避けられている…。だが、いつそれが起きるかは分からない…。)


神官は、ブランケットみたいに柔らかな日差しを注がれた、魔王城の中庭まで来ていました。まがまがしいガーゴイルが日向ぼっこをしている、そんな普段の魔王城です。


(なんとかして魔王様に元気を取り戻してもらわなければ…!)


そのとき、神官の金色の目にあるものが写りました。


(これだ…!)


神官は炎の塊の魔物がごうごうと燃える様子を見て、それを確信しました。

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