第0章 第三話[無気力魔王]

「さあ、ベッドから出てください。おうどん冷めちゃいますよ。」


うどんから出た湯気がおばけみたいに魔王を手招きしました。しかし、魔王はもそもそと毛布を被り直しています。


「だめ…出れない…。」

「出れないことないでしょう。」


魔王は毛布から顔だけだして、心の底からの言葉を紡ぎます。


「…元気出ない…。」

「ちょっと出るだけですよ。なんならベッドで食べますか?」

「だめ…食欲ない…。」


そこまで言うと毛布に隠れてしまいました。

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