第15話 蚊とスナ

「あ~喉乾いた~」

「ゴキブリ……さっきいっぱい水飲まなかった?」

「水だけじゃ飽きる~」

ゴキブリは少しわがまま……その対応に困る私、チラッとネイタとミナミコアリクイのコンビを見る。

「じゃぱりまん食べたいよぉ……」

「食べすぎじゃない?あまり良くないよ?」

そしてゴキブリの方を見て……

「飲みすぎじゃない?あまり良くないよ?」

と言ったが

「ネイタの真似じゃん!」プンプン

バレた。

「しょうがないな……飲ませてあげるからついてきて……」


「いらっしゃいませー」

着いた着いた、ジャングル地方の売店。ここではジャングル地方の果物のジュースを扱っている。美味しくて私も気に入っている。

「イチゴジュース1つ」

「かしこまりました」

そしてすぐカップにジュースが入り、私に渡される。

「ありがとうございました~」

「じゃあゴキブリ、どこで飲む?」

「そこのベンチで飲んでいくよ」


ベンチに座る私とゴキブリ。

「……あれ?これ何?」

「ストロー。知らない?」

「知らない。虫だもん。」

困ってキョロキョロしてたら目に入ったフレンズ……

「……あの娘、虫っぽいけどストロー使って飲んでるよ?」

「何で!……あれ、あの娘……」

ゴキブリは急にそのフレンズの元へ行った。

「ねえ、君……」

「ん?あれ?君、ゴキブリ?」

「そうだよ!君、蚊だよね?」

「うん。戦いぶりだね。」

あぁ、思い出した!敵チームだったけど今は仲良しだな。


ゴキブリが蚊の隣に座る。

「すとろーだっけ?使うの上手だね!私分かんない!」

「そう?私、赤ちゃん産む前、ヒトの血、チューチューしてた。だからかな?」

あ……そっか、この娘蚊か……

「でも、それで嫌われてるの。」

「分かる、私もキモいからって理由で嫌われてるの!そっちは殺される理由がしっかりしてるのにこっちは『キモい』だけで殺されるんだよ!?理由がしっかりしてる方がマシだよ……」

「そうかな?でも、子孫を残す為なのに、ヒトはみんな、ひどい……」

あれ?ヒトが蚊を殺すのって、蚊って刺されるとかゆいから、って理由だけだっけ?モヤモヤしてる中、答えは聞こえてきた。


「感染症を媒介してくるから、だね!」


「……ん?誰?」

振り向いた先にいたヒト。服装からして飼育員……?

「あ、うちはスナ!蚊の飼育員なの!よろしく♪」

「よろしく。私はゴキブリの飼育員のホシ!」

スナ……明るくていい娘だな。

「蚊の苦しみはよ~く分かるの♪」

「スナがいて、私、嬉しい。」

「仲良しだね~」

「私とホシだって!」

「うん、私はゴキブリの苦しみをよく知ってる!」

そう言われてゴキブリは嬉しそう。

「スナ……は飼育員をどれくらいしているの?」

「新人だよ~」

「良かった、仲間がいた……」

「一緒に頑張ろう!何か困ったことある?何でも話聞くよ!」

「うーん……あ、ゴキブリの食欲がね……」


あれからしばらく話し込んで色々知れた。

後、スナについても知れた。スナは蚊を退治しようとしたけどそこにサンドスターが来て……って私と同じ感じ。……ってあれ?



私とスナが似ている理由が分かった気がする。

2人合わせて『サンドスター』だからだな。うん。

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