第13話 観察です
「ただいまー!」
最近ゴキブリは私を残してどこかへ散歩に行ってしまう。
一体何処へ……!?
「ねえねえ!ゴキブリはどこに散歩に行ってるのー?」
「教えない!」
「ええ!?」
何でー?教えて~とか言って粘着しようと思ったが怒られるからやめた。
でも案外怖くないかも……いやでもなぁ……
「観察したら?」
「え?」
ゴキブリに内緒でネイタに相談したら意外な返事が……だって観察って……
「ストーカーって事でしょ!?」
「いやただ観察するだけだよ!」
うーん……でもフレンズ化してるから余計やりにくい……
「この動物園フレンズを観察する為に造られたから……」
「……そっか。よし、観察するか!」
「この変わりようぅ……」
ミナミコアリクイが木から話しかけてきた。そうだ。ミナミコアリクイに聞けば観察されてどんな気持ちか分かる!
「ミナミコアリクイは観察されてどんな気持ちなの?」
「んー……少し緊張するかなぁ……」
そんなもんならいっか……
「でも動物によるから内緒で観察して危なくなったら念のため嘘ついて帰っておいで」
「分かった!じゃあ行ってきます!」
「行ってらっしゃーい」
「ふんふふふん♪」
ゴキブリが散歩に出かけた。私は後をついていく。
「あ!」
ゴキブリが何かを見つけた。
「蝶ちゃん!」
「あ!ジーちゃんじゃないですか!」
知り合いだった。……いや、それだけの為に内緒にしないだろう。
「どこかへ行くのですか?」
「うん!どこかは内緒だけど……」
知り合いにも内緒にするか……
「じゃあ!」
「さようなら!」
「……もうすぐだ。」
もうすぐ?一体何なんだ?私に内緒……悪い事じゃないでしょうね?
私の頭の中には疑問が渦巻いたが、答えはすぐ出た。
「ひゃっほー」
木々の間から日の光が差し込み、辺り一面がキラキラしている。
すごく……綺麗……
「わぁ……」
……!ヤバイ!思わず声を出してしまった!
「え?誰かいるの?」
「……ウゥ」
「ん……?あ……ホシ……?」
「ヤバイ見つかった!」
そんな私を見るとゴキブリは……
ゴキブリは怒るどころか笑った。
「ははっ!私だけの景色にしてやろうとか考えてたけどホシになら見せてもいっか!ってかストーカーしないでよw」
何だか軽いノリだし怒られてない……みたい。
「ストーカーじゃなくてただ観察してただけだよ~!……ここ綺麗だね!」
「散歩してたら偶然見つけたの!もちろん知ってるフレンズもいると思うけど全然フレンズいないから知ってるの私だけじゃないかなって思って♪」
「知られていないんだね……」
確かにフレンズの気配が全くしない。
この景色を私とゴキブリで2人占めしてると思うとすごくいい。
あの後私とゴキブリは帰った。
確かに景色も綺麗だったが……ゴキブリの髪も光で輝いてとてつもなく綺麗だった……
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