第8話 虫の仲間

「え!?誰だよぉ!」

「え!?ヒメアリクイですよ!?」

「なんだぁ……」

もうジャングル地方にも慣れて、私は平気。私は、ね。

「うう……」

「どうしたのゴキブリ?あ、やっぱり……」

「やっぱり仲間がほしい!」

実は昨日ミナミコアリクイの仲間のヒメアリクイを紹介されてからこの態度。

といっても仲間なんて……

「探せばいる!ほら、行くよ!」

ええ!?……全く仕方ないな。今ネイタは忙しいみたいだからガイドはいないけど……ガイドなしでもちょっとくらい平気だろう。


「みんな色んな縄張りを持ってるなぁ……」

オセロットやフォッサは木の上、コツメカワウソやジャガーは川の近く。

確かに動物フレンズによって縄張りは違う。姿形も十人十色だな。


ブーーーーン


「ゴキブリ、飛んだら私が追いつけなく……」

「え?私じゃないよ?ってかゴキブリの翅って滑空するだけで飛べないし。」

「え?じゃあ一体誰が……虫の羽音だと思ったんだけど……」

「ご名答、虫だぞ!」

「あ、あなたは?」

「俺はカブトムシ!お前も虫だな?」

「うん。ゴキブリだよ。」

「じゃあ虫同士仲良くしようぜ!」

「うん!」

カブトムシだった。ゴキブリと同じ昆虫だからか見た目に共通点がある。

ゴキブリは黒い半袖のシャツ&茶色いベスト

カブトムシは茶色い鎧

を上半身に着ているけれど、焦げ茶のアームカバーや焦げ茶の少しもこもこしたズボンはどっちも身につけている。昆虫の特徴がよく再現されている。


「カブトちゃんの角、格好いい!」

「ゴキブリの触角だって可愛い!」

ってかすっかり仲良くなってるし……

「じゃぱりまんあるよー」

「クワガタ!?マジで!?」

「じゃぱりまん!?私も食べたい!」

カブトムシとクワガタ……もしかして……

「じゃぱりまんーーー!」

「カブトムシにはやらないよー♪」

「あたいも食べる!」

「スズメバチもいるのかよ!」


わいわいわいわい


やっぱり……樹液を求めてやってくる虫達がフレンズ化するとジャパリまんを求めてやってくるのか……つかゴキブリもさりげなく混ざってるし……

「じゃんけんって何ー?」

「ゴキブリ、じゃんけん知らなかったのか。教えてやろう!」

じゃんけんって……給食のデザート戦争かよ!

「やった勝ったーーー」

「新入り強っ!」

おい、さりげなくゴキブリが勝ったぞ?


もぐもぐもぐもぐ


「美味し~」

「バナナ味がーーー……まあ、また観光客かボスに貰えばいいか。」

「でも他の昆虫に人気で店に行くといつも1、2個くらいしかないんだよな……」

ジャングル地方にも店はあるのか。

「ご馳走さま~」

「ゴキブリ、初めて会ったフレンズにも容赦ねーな……」

「動物の頃、初めて会ったヒトとでも戦ってたからだな~」

「ってかゴキブリってじゃんけん強かったんだね」

「動物の頃、瞬発力があったからだね~」

フレンズ化したら動物の頃の習性全部引き継がれるのか……



まあ、ゴキブリの仲間の昆虫達も見つけれたし一件落着?









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