第7話 熱帯雨林

「あ!あれだ!」

ネイタが叫ぶ。って事はもしかして……

「間もなくジャングル地方に到着です!またのご利用をお待ちしております!」

やった。やっとジャングル地方に着いたんだ。

バスが停まった。私は荷物を持って外に出た。楽しみすぎてゴキブリやネイタをおいて行ってしまった。

「待ってよ~」

私はジャングル地方の大地を踏みしめた。ここが……!

「ちょっと待って……ジャングル地方をよく知る僕がガイドしないと!」

あ、2人共追いついた。

「ごめんごめん!じゃあガイドして!」

「うん!もちろん!」


「こっちにジャングル地方の宿泊所があるんだけど……」

「あるの!?」

「でもこんなのだよ?」

そこには大きな葉っぱで出来た小屋がたくさん並んでいた。

「まさかこれ……」

「うん。ジャングルだから自然に触れようって理由らしい……ごめん……」

「むしろいい!THE・自然って感じ。やっぱ選ぶは街より自然!」

「私も!ヒト怖いし……熱帯雨林で産まれたのにわざわざ家族であんな所まで移動したんだ……」

「そうだったの!?」

ゴキブリの衝撃のカコ。やっぱりゴキブリってめっちゃ可哀想……


「ネイタァ!」

「あ、ミナミコアリクイ!」

「ど、どこ行ってたんだよぉ!一口に用事と言っても色々あるだろぉ!?」

「ごめん、街地方で新入り飼育員の指導してて。まあ他の飼育員に『後は任せろ』って言われたからジャングル地方に帰ってきたけど……」

し、飼育員ってやっぱり結構大変だな……

「そ、そっちのヒト達はぁ!?」

「こらこら、威嚇するな。大丈夫、知り合いだよ!あ、友達?」

「あ、それでもいいよ!嬉しい!」

「友達のホシとゴキブリだよ。仲良くしてね。」

「うう、威嚇してごめんよぉ……」

「平気だよ!」

ゴキブリ、それよりも『あれ威嚇ポーズだったの!?』とか色々あるだろ。

手を広げてるだけ……怖いと言うより可愛い。


「さぁ、自己紹介も終わった所でゴキブリに『縄張り』を決めてもらうよ。」

「え?じゃあこの小屋は?」

「それは飼育員用。フレンズは縄張りを作らなきゃ。」

「あ、あたしの縄張りはこの木だよぉ!」

ミナミコアリクイは木の上で生活するのか。

「君は?ゴキブリってどんな所を巣にするの?」

「確か……落ち葉の陰とか?」

「じゃあ葉っぱが集まった所を探せばいいの?」

「僕知ってる。ついてきて!」

「はーい」

でもフレンズのサイズで落ち葉の下に潜りこめるか?


「おお……!」

確かにいっぱい葉っぱがあって、フレンズも潜りこめそうだ。

「わーい!」

ゴキブリが早速潜りこんだ。

さっきの所とあまり離れてないしなかなかいい所だ。



こうして、私&ゴキブリのペアと、ネイタ&ミナミコアリクイのペアのジャングル地方生活が始まった。






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