担当フレンズが『ゴキブリ』なのですがそれは。

第2話 担当決定

「もう一度聞くけど、あなた本当にゴキブリ？」

「はい。私、ゴキブリと言います……。」

ゴキブリとは思えないくらい綺麗。このパークの事を記したドキュメンタリー『けものフレンズ』を『昆虫フレンズ』に変えても良さそうだ。っていうか『動物フレンズ』にしよう？

「ホシさんホシさん！」

「あ、ガイドさんが来た」

「あなた『ホシ』って言うのね……？」

「あ、うん。」

ガチャ

「噴火がありましたが大丈夫でしたか？」

「うわ、ヒ、ヒ、ヒトだああああ！」

「えっ！？」

「じゃあホシも……」

「そりゃそうでしょ」

「うわああああああああ！」

彼女はタンスの影に隠れてしまった。

「ヒトは私達の敵なの！」

「た、確かにゴキブリは嫌いだけど……！」

「でも、フレンズ化して意志疎通が出来るようになったので平気ですよ！」

あ、そうか！

「でも仲間は……ヒトに殺されてしまったの……！だからヒトは嫌い！どうせ嘘つくんだ！」

「まあまあ。ジャパリまんでも食べて下さい。」

「こ、こんなので私が……ｱﾑｯ……騙される訳ないでしょ！ﾓｸﾞﾓｸﾞ」

食べてるやん！さりげなく食べてるやん！

「……美味しい。」

「ゴキブリさんは雑食性ですからね。」

ガイドさんって虫についても知っていたのか……

「……あ、いい事考えました」

「な、何？」

「ホシさんの担当フレンズ『ゴキブリ』さんにしましょう」

「……」

「……」

「「ええええええええ！？」」

「こんな気持ち悪い虫の担当！？」

「こんな食べ物をくれない怪しいヒトのペット！？」

「パンの欠片ならあるよ……」

「わーい！ﾓｸﾞﾓｸﾞ　……ってなんでーーーー！」

騒がしいな！何なのこの状況！

「だってそれ以外いないでしょ？」

「……確かに。じゃあゴキブリの担当になろうかな……」

「パン美味しかった……」

「決定でいいですか？」

「いいよそれで！」

「平気……だと思う。」

「では園長さんに伝えに行くので、今日から担当よろしくお願いしますね♪では、良いジャパリパークライフを！」

ガチャ

ガチャ

タッタッタ

「……ジャパリパークライフだってよどうする？」

ここはフレンズが生きる島。私はそれを見守る存在。フレンズに決めさせよう……

「私引き籠る。」

「え！？」

「だって私は夜行性だし……」

「でもサーバルさっき起きてたよね……？あなたが夜行性でもここはジャパリパークだから昼に起きててもいいんだよ？」

「じゃあ昼に起きてたいけど……でもヒトが怖い……」

「大丈夫。私が守ってあげるから。」

「へ……」

「私は今日からあなたの飼育員だからね……ゴキブリにも一つの命があるし。」

「な、なんだ！分かってるじゃん！」

「……叩き潰そうとしてごめん。」

「分かってくれたらいいんです。そんな事より、外の世界にダイブしてみたいです！」

「おお！その意気だよ！じゃあ行こう！」

私はゴキブリと外の世界へダイブする事にした。まず図書館には行っておきたいしPPPのライブも見たいし……迷うけど、ゴキブリと考えていけばいいよね。